鼻水最強説


娘の幼稚園が学級閉鎖になった。
一級上、「年中さん」の組で。
インフルエンザの園児が多いそうだ。

近隣の小中学校の学級閉鎖情報は
ちらほら診療所にも入ってくる。
子どもたちの密集する場所では、
それなりに流行っているようだ。


全国的に、例年流行がピークになる時期
にも関わらず、インフルエンザが静かだ。
「新型コロナウイルス」対策が
インフルエンザ対策にもなっている。

「怪我の功名」(?)ともいえる。

そうこうしているうちに、花粉症の
季節も到来しつつある。
明らかに「花粉症の鼻水」を垂らす
患者さんが出始めている。

患者さんに言った。

「よかったじゃない!」
「何がですか?」
「コロナの予防にもなるでしょ」
「えっ?」


鼻水と咳で花粉を除去しようとする。
コロナウイルスも入る余地がない。
アレルギーとは敵視すべきでない
相手を敵とみなす疾患だ。
ホンマモンの敵にも効くはずだ

そう説明した上で、
「怪我の功名になるかもよ。
薬飲まない方がいいんじゃない?」

患者さんは悩んだ末、
「やっぱり薬下さい」
となる。

まあ、懸命な選択だろう。
エビデンスがないのだから。

『無治療花粉症は肺炎予防に働くか?』

だれも研究材料にしないだろうな…

とは言え、温故知新は侮れない。
昔の子どもたちが鼻を垂らしたままに
していたのは意外と理に適っているかも…

雑談力の作り方

早い話が
もはや言葉がいらない二人でも
会話はあった方がいい
ということだ。

「最近鼻水が止まったんです」
佐藤さんは76歳の女性。

夫の認知症が進み、施設に入った。
いつも床で寝ていた佐藤さんは、
夫のベッドで寝るようになった。
途端に鼻水が止まった。

佐藤さんの家は古い家屋だ。
低い所にアレルギーの原因物質が
うようよしているのかもしれない。

「旦那に対するアレルギーでは?」
意地悪に訊いてみると、
「そうかもしれないですね」
と佐藤さんは笑いながら答えた。

施設では話し相手が少ない。
夫の認知症はどんどん進んでいる。
最近、自分の名前もあやしいらしい。

「話のネタがなくて困るんです」

以前、写真を持っていくよう助言した。
佐藤さんは忠実に守っている。
二人で旅行した写真を見ながら、
当時を思い出して会話するそうだ。

でも、すぐに話しが尽きてしまう。

「僕のこと憶えてくれてるかな?
会いたいって言っておいて下さい」
「今日は先生のとこに行く
って主人にも言ってあります」
とのこと。

診療のあと夫の所へ行く佐藤さん。
会話のネタを仕込んでおいた。
鼻水が止まったことを報告するよう
助言した。

「あなたがいなくなったお陰よ。
ありがとう」

って感謝を伝えるように、と。

少々ブラックかな…
感謝だからよし、としておこう。