家でできること(漢方編)


中国でご家族が医師をしている
患者さんからの情報だ。
「日本人と違って、中国人は勝手な
ことをするから、強制が必要だ」

と笑いながら言っていた。

意外とのんびりしているらしい。
中国は広い。
非常事態が報道される湖北省を除くと、
そんな感じのようだ。

自粛報道の効果が出ている。
診療所は静かだ。
むしろ安全な場所になりつつある。

経験的解答のない世界に有識者は弱い。
RT-PCR検査の実施法についても
統一見解がなかなか出ない。
答えのない世界なのだから、少々
強引なリーダーシップも必要だ。

休校措置も一応評価する。
(子供が二人いる。他人事ではない)
臨機応変、軌道修正しながら、
できることからやるしかない。


子供に死者を出すという著しい
イメージ悪化を避けたいのでは?

あるかもしれない。
しかし、感染を広げるのは子供だ。
子供は集団活動をするからだ。
低リスク群とされているが、検査自体が
実施されていないのでわからない。

中国では高齢者が子供の世話をする
意外と無症状の子供が感染媒体に
なっているかもしれない。

とにかく守るべきは高齢者と低免疫患者だ。
しかもこの人たちは通院しないとヤバい。
基礎疾患で死にかねない。
病院所には優先的に来てもらう必要がある。

そうでない人たちは?

「発展途上国旅行中」と思ってほしい。
途上国で医者にかかるか?
少々の問題は自力で解決しようと
するのでは?


臨床経験上の提案をひとつ。
例年冬の風邪であるコロナウイルスや
インフルエンザと長年対峙してきた。
どちらも病初期の治療法は同じ。
発汗を促すことと、漢方薬だ。


どうせ特効薬はないのだ。
インフルエンザは初期に限り、
抗インフルエンザ薬が効くとされて
いるが希望者にしか出していない。
温故知新の医療で主にやってきた。

肺炎に至ったケースもほぼ皆無だ。
毒性は未知数な部分はあるが、
同じRNAウイルスには違いない。
致死率から推測するに、悪性度は低い
とみて間違いない。

適切な初期治療を施せば、
温故知新の医療でいけると確信している。


市販されている薬剤での使用法を記す。
ざっくり、食欲低下に至っていない時期を
「初期」とする。

体力に自信がある人は「麻黄湯」。
自信のない人は「麻黄附子細辛湯」。
一回目は所定の倍量服用する。
二回目以降は所定量を服用する。
とにかく「発汗」を目指すことだ。


食欲が落ちていたり、発病後数日
経過しているときは、とりあえず近医に
電話して事情を説明し、指示に従う。

「補中益気湯」という生薬は全病期を
通じて有効だし、併用してもいい。
食欲も出る。

ちなみに大正7年のスペイン風邪
大流行のときには森道伯医師が
「香蘇散」という漢方で挑み、
成果を出したことが記録されている。

風邪で自宅待機、他に手がないのなら
先人の知恵を信頼、拝借してみるのも
悪くないと思う。


完全にエビデンスがあるわけではない。
懐疑的な人に勧めるつもりもない。
でも対策があると思うだけでも、
不安の軽減になると思い、記した。

親の介護のこと


「子供に迷惑かけないように」
下町の高齢者はみなそう言う。
黒澤さん(79歳女性)もその一人。
79歳には見えない元気さだ。

10年前に前医から引き継いだ。
「オーマイガーっ!」
だった。
糖尿に高血圧に不整脈…
どれも超バッドコントロール。

主治医に恵まれた(黒澤さんが
そう言っている…)。
両方の両親の介護に全力を尽くした。
子育てと仕事をしながら。


その苦労の記憶ゆえ同じ思いを
子供にさせたくない。

黒澤さんに言った。
「苦労かけた方がいいんじゃない?」
「なんでですか?」
「周りの評価が上がりますよ、子供の」


親の面倒をしっかり看て立派だった。
町内の人はみな黒澤さんを尊敬している。
その「信用スコア」はカネでは買えない。
黒澤さんが生き延びるに当たり、信用は
有形無形に変化している。


迷惑?
親は迷惑な存在か?
もし、親を迷惑だと思ったなら、
その人の将来は約束されるだろう。

人は「過去」を信用し、
「未来」を信頼するようだ。

迷惑な親を持つ人を誰も信頼しない。

良い親だった?悪い親だった?
関係ない。
子供次第で定義は変わる。
迷惑な親を持つ子供の信用スコアは
マイナスに決まっている。

親を介護するのは先人の「知恵」だ。
子供が生き延びるための。
だから親は図々しくいればいい。


子供がいない人?
それは幸いだ。
周囲や主治医との関係性を密にする。
そのチャンスが増える!

病人の定義

「持病のある高齢者だけでしょ、
心配しないといけないのは?」

岩坂さんは、話題の新型ウイルスに
触れ、そう言った。

米屋を経営している岩坂さんは
75歳の男性だ。

お正月は、他では絶対に食べられない
餅を用意して孫たちを迎える。
孫もそれを楽しみにしている。

糖尿病でインスリン治療の岩坂さん。
客観的には、しっかり
「持病持ちの高齢者」
なのだが…
ご本人の気持ちは現役バリバリだ。

下町の高齢者は自営業が多い。
生涯現役という人も少なくない。
だから気持ちが若い。

「ホントに病気の人多いわよねえ。
どこも悪くないのが申し訳ないわ」

という高橋さんは生活習慣病の宝庫だ。
では何しに診療所に来ているのか?
雑談だけが目的のつもりなのか?

自分を「病気」と思わない。
自分を「高齢者」と思わない。
「自分は死ぬまで健康だった」
と最期を迎える。


良いことなのだろう…