人の命がかかっているから


早い話が
正論は最強だ
ということだ。


東京はカフェが多い。
理由の一つは家賃が高いことだ。
狭い部屋にしか住めない。
カフェでくつろぎ、仕事をする。
今は家にいないといけない。

人の命がかかっているから・・・

趣味がアウトドアの人は多い。
患者さんには社交ダンスが
趣味の方が多いが、全部中止だ。
自宅でテレビを観るしかない。
仕方がない。

人の命がかかっているから・・・

世界的に飲酒量も増えているらしい。
運動不足と過飲で鬱は悪化する。
みな気の毒だが仕方がない。

人の命がかかっているから・・・

日当で暮らしている人は大変だ。
自営業者も気が気でないだろう。
今月の家賃が払えないかもしれない。
売上がないので貯金から出した
79歳のスナック経営者がいる。

仕方がない。
人の命がかかっているから・・・

自分のことを書く。

雇われ院長なので給料は保証されている。
もともとインドアなので生活は変化なし。
論文を書いたり、楽器を弾いたり。

食べるのも一日一食。
最近は昼食に出かけることが多い。
どこもガラガラで、「間」が気まずい。
店主を励まし、プチ医療をする。

家にはテレビがないので専ら読書三昧。
この土日で20冊以上読破した。

妻子は帰省している。
隔離に近い閑静な田舎から、悪名高い
東京に還る日はいつになるのやら。

なので自分の生活に不便はない。
規制を強いられる人々が気の毒だ。

医療的なことを書く。
発症している人でなければ
「3密」を避けることで十分。

都知事の「歯に衣を着せた」
物言いがすべてだ。

本当に若者の外出が問題なのか?
院内感染の制御こそが問題なのでは?
院内の状況は見えない。
外を歩く若者は見える。
だから攻撃対象になる。


それは「思考停止」に他ならない。
「ゼロリスク」の追求は気が狂う。
妄想と付き合うことになるからだ。


仕方がない。
人の命がかかっているから・・・

この「正論」には歯向かえない。

声のボリューム


「隣のじいさんがうるさくて眠れない」
三好さん(76歳女性)は不満げだ。
隣人は耳が悪くて、テレビの音量が
いつも大き過ぎるそうだ。

独居の人は寂しさを紛らすためか、
テレビをつけたまま寝る人が少なくない。

「顔も頭も悪いけど、耳だけは良いの」
と自虐的な三好さん。
元々、聴覚過敏があるそうだ。

「オッチャンに注意しに行こうか?」
と提案したが、断られた。
効果が期待できそうにない、とのこと。
いい「耳栓」を紹介してあげた。

「わたしは声が大きいですか?」
片岡さんは79歳男性。
難聴がどんどん進んでいる。
友人に「口にチャック」のジェスチャー
をされ、気にしている。

「ちょっと大きいかな」
とこちらも大きな声で応える。

難聴の人は声が大きくなりがちだ。
自分の声が聴こえないと不安になる。
スマホも聴き取りにくいそうだ。

良いヘッドホンを紹介してあげたら、
「すごく聴き取りやすくなった!」
と喜んでくれた。
「若い子に紛れ込んでるんですよ」
ヘッドホン姿にご満悦だ。

三好さんの隣人は片岡さんなのだろう。
世の中には、耳の悪過ぎる人も
良すぎる人もいるのだ。

自分の発するボリュームを少しだけ
意識してあげてほしい。

日常的にマスク着用している人は特に。
音量が大きすぎる傾向がある
関西人医師も心がけている。

家でできること(漢方編)


中国でご家族が医師をしている
患者さんからの情報だ。
「日本人と違って、中国人は勝手な
ことをするから、強制が必要だ」

と笑いながら言っていた。

意外とのんびりしているらしい。
中国は広い。
非常事態が報道される湖北省を除くと、
そんな感じのようだ。

自粛報道の効果が出ている。
診療所は静かだ。
むしろ安全な場所になりつつある。

経験的解答のない世界に有識者は弱い。
RT-PCR検査の実施法についても
統一見解がなかなか出ない。
答えのない世界なのだから、少々
強引なリーダーシップも必要だ。

休校措置も一応評価する。
(子供が二人いる。他人事ではない)
臨機応変、軌道修正しながら、
できることからやるしかない。


子供に死者を出すという著しい
イメージ悪化を避けたいのでは?

あるかもしれない。
しかし、感染を広げるのは子供だ。
子供は集団活動をするからだ。
低リスク群とされているが、検査自体が
実施されていないのでわからない。

中国では高齢者が子供の世話をする
意外と無症状の子供が感染媒体に
なっているかもしれない。

とにかく守るべきは高齢者と低免疫患者だ。
しかもこの人たちは通院しないとヤバい。
基礎疾患で死にかねない。
病院所には優先的に来てもらう必要がある。

そうでない人たちは?

「発展途上国旅行中」と思ってほしい。
途上国で医者にかかるか?
少々の問題は自力で解決しようと
するのでは?


臨床経験上の提案をひとつ。
例年冬の風邪であるコロナウイルスや
インフルエンザと長年対峙してきた。
どちらも病初期の治療法は同じ。
発汗を促すことと、漢方薬だ。


どうせ特効薬はないのだ。
インフルエンザは初期に限り、
抗インフルエンザ薬が効くとされて
いるが希望者にしか出していない。
温故知新の医療で主にやってきた。

肺炎に至ったケースもほぼ皆無だ。
毒性は未知数な部分はあるが、
同じRNAウイルスには違いない。
致死率から推測するに、悪性度は低い
とみて間違いない。

適切な初期治療を施せば、
温故知新の医療でいけると確信している。


市販されている薬剤での使用法を記す。
ざっくり、食欲低下に至っていない時期を
「初期」とする。

体力に自信がある人は「麻黄湯」。
自信のない人は「麻黄附子細辛湯」。
一回目は所定の倍量服用する。
二回目以降は所定量を服用する。
とにかく「発汗」を目指すことだ。


食欲が落ちていたり、発病後数日
経過しているときは、とりあえず近医に
電話して事情を説明し、指示に従う。

「補中益気湯」という生薬は全病期を
通じて有効だし、併用してもいい。
食欲も出る。

ちなみに大正7年のスペイン風邪
大流行のときには森道伯医師が
「香蘇散」という漢方で挑み、
成果を出したことが記録されている。

風邪で自宅待機、他に手がないのなら
先人の知恵を信頼、拝借してみるのも
悪くないと思う。


完全にエビデンスがあるわけではない。
懐疑的な人に勧めるつもりもない。
でも対策があると思うだけでも、
不安の軽減になると思い、記した。