季節の変わり目に頭がモヤモヤする。
岡田さんは84歳の女性。
めまいの一種と捉えている。
表情の硬さはさながら鉄仮面だ。
「笑った方がいいですよ」
対処法を提案した。
かなり前に仕入れた知見だ。
笑うから面白くなる。
面白いから笑うのではない。
逃げるから怖くなる、というのもある。
心理学用語で「アウトサイド・イン」
というそうだ。
もしかしたら表情を和らげると
モヤモヤがとれるかもしれない。
少なくとも緊張は取れるだろう。
有害な副作用は考えられない。
というわけで、笑顔を励行した。
「面白いことを想像するように」
岡田さんは困惑していた。
まあそう面白いこともないそうだ。
だからネタをプレゼントした。
最近、家族が明るく過ごせるように、
朝の挨拶するときスキップで登場する。
家庭で、陽気な父親をやっている。
という告白をした。
このネタは、岡田さんと義娘、
師長にも大いにウケた。
気を良くした主治医は調子に乗り、
スキップで部屋をあとにした。
しばらく岡田さんは、この絵で
思い出し笑いできるだろう。
サービス業を実践している。