新型コロナウイルスその3


野口さんは75歳女性。
やや高い血糖値のフォローで
数ヶ月に一度受診する。
よく運動もし、順調だ。

「5月にダイヤモンド・プリンセスに乗る
予定だったんですよ。キャンセルしました。
危ないところだったわ」
「5月には落ち着いてるでしょ。
クルーザー会社助けてあげんと」


会社が無くなる可能性は高いが…

熟年夫婦旅行がほとんどだろう。
(今乗ってたら…)
ゾッとする気持はわかる。
不安をなだめるため、丁寧に
診察してあげた。

中田さんも75歳女性。
ホテルでメイドをしている。

「今朝突然仕事に来ないでって」

新型コロナの影響でキャンセル続出。
それにしても、当日になって
「来なくていい」はひどい。
立場が弱いので従うしかない。

「おかげで早く来れたから安心よ」
中田さんは前向きだ。
ご褒美として、いつもより念入りに
診察してあげた。

感染症流行も自然災害の一種だ。
オーストラリアの火災も数十年ぶりの
豪雨でようやく鎮火した。
大きな力には、人間は到底敵わない。

1mmの百万分の一サイズのウイルスが
間接的に人生に噛みつく。

アホにならずに、冷徹にそして明るく
「怪我の功名」を期待するしかない。

高齢パパ友

「お父さん徒競走で闘う日が来そうですね」

入園式の話で盛り上がった。
お互い娘が今年4歳になる。
武田さんは68歳。
やるなあ。
負けてられない。

今朝の東京は豪雨。
武田さんは合羽着て自転車で送っていった。
Change is constant!
こんな68歳が現れる時代になった!

いいことだ。

武田さんには前妻との間に子どもが2人いる。
2人とも30代後半だ。
再婚した現在の妻との間に5歳児と3歳児。
アパレルの会社を経営していて見た目も若い。
酒も減らした。運動もしている。
しかし、心筋梗塞と膀胱がんの既往がある。

幸い両方とも完治したが、注意は必要だ。

「長生きせなあきませんね、お互い」
「長生きさせて下さいね」

「ウチにちゃんと通ってれば大丈夫」

子どものためにもパパ友の命を守らねば…