マスクした方がいいんだろうけど・・・


「みんなマスクでしょ?聞こえないのよね」
井田さん(72歳女性)は難聴だ。

井田さんの難聴は「感音性難聴」
と言って、治療が難しいタイプだ。
新型コロナウイルスの弊害は
こんな形でも現れている。

その上、花粉症のマスクだ。

自分は診療中にマスクをつけない。

理由は3つある。
耳が悪い患者さんが多いこと。
マスクは発声にも聴き取りにも邪魔だ。

2つ目は、顔を覚えてほしいから。
「先生の顔が浮かんだのよ」
生活習慣改善に少しは役立つようだ。
「あの先生だったらどうする?」
自分にも、いまだに頭に浮かぶ
研修医時代の指導医がいる。

現段階では、マスクの感染予防効果は薄い
というデータを支持している。
それが3つ目の理由だ。
もちろん感染源になるのはまずいので
自分に症状があるときはマスクする。

将来、邪魔にならずに、有効なマスクが
出てくれば態度を変えるかもしれない。
今は、しないメリットが上回っている。
賛否両論あるのは承知の上だ。

マスクをする習慣のある人は、せめて
大きな声ではっきり喋ってあげてほしい。

しっかり息を吐けば、感染予防にもなる
かもしれない。
エエ声になり、歌が上手くなるかも。

そうなれば、「怪我の功名」だ。
いや、「棚からぼたもち」か・・・

花粉症フリーズ


「穴という穴全部から鼻水が出ます」
花粉症のシーズンが到来した。
更年期による不調も加算されているのか。
河野さんはオーバーな表現を好む。

もちろん、症状が出ている穴は
目と鼻だけだ。

「へそから出てんの?
お尻の穴から出てんの?」
「出てませんよ~」


常々述べているが、欲しくない状況は
口に出さない方がいい。

河野さんには子供が二人いる。
「子供の成績が落ちるよ」
「どういうことですか?」

母親の口癖が伝染るからだ。

勉強ができない子は往々にして
「全然わからない」
と言いがち。
「わかるところもある」
からスタートするのが学習のコツだ。

シャットダウンしてはいけない。
思考停止は「フリーズ」だからだ。

最近の知見で、交感神経の働きとして
「闘争と逃走」の他に「フリーズ」と
いう働きもあることがわかった。
いわゆる「死んだふり」だ。
ある種の状況においては、生存確率を
上げるらしい。

学習に死んだふりは全く必要ない。
交感神経に仕事させる必要もない。

母親の口癖は子供に影響大だ。

「ヘソから出てないのを喜んで」
イヤミと薬を出して解散。

医療に「脅し」は使いたくない。
「全部」とか「全然」の誤用が
好きでなさすぎるから時々出てしまう。
フリーズしているのかも…

修行が足りない。

鼻水最強説


娘の幼稚園が学級閉鎖になった。
一級上、「年中さん」の組で。
インフルエンザの園児が多いそうだ。

近隣の小中学校の学級閉鎖情報は
ちらほら診療所にも入ってくる。
子どもたちの密集する場所では、
それなりに流行っているようだ。


全国的に、例年流行がピークになる時期
にも関わらず、インフルエンザが静かだ。
「新型コロナウイルス」対策が
インフルエンザ対策にもなっている。

「怪我の功名」(?)ともいえる。

そうこうしているうちに、花粉症の
季節も到来しつつある。
明らかに「花粉症の鼻水」を垂らす
患者さんが出始めている。

患者さんに言った。

「よかったじゃない!」
「何がですか?」
「コロナの予防にもなるでしょ」
「えっ?」


鼻水と咳で花粉を除去しようとする。
コロナウイルスも入る余地がない。
アレルギーとは敵視すべきでない
相手を敵とみなす疾患だ。
ホンマモンの敵にも効くはずだ

そう説明した上で、
「怪我の功名になるかもよ。
薬飲まない方がいいんじゃない?」

患者さんは悩んだ末、
「やっぱり薬下さい」
となる。

まあ、懸命な選択だろう。
エビデンスがないのだから。

『無治療花粉症は肺炎予防に働くか?』

だれも研究材料にしないだろうな…

とは言え、温故知新は侮れない。
昔の子どもたちが鼻を垂らしたままに
していたのは意外と理に適っているかも…