痩せる方法あれこれ

「歩いた方がいんですかね?」

48歳糖尿病の山谷さんは2児の母。
血糖値は如実に改善している。

しかし、痩せない。

自分から冒頭の言葉を発した。
「それがでけへんのでしょ?」

恥ずかしそうにうつ向く山谷さん。

多忙な母親にプラスアルファの

タスクを与えるのは酷だ。

みんな答えは知っている。
検索できる時代だなのだから。

問題は習慣化できるかどうかだ。

環境が同じだと変革は難しい。
インドやアフリカに引っ越せばいい。

それは多くの人に現実的ではない。

自分の行動を細分化する。
導入したい新しい習慣を古い習慣に

タグ付けする。

トイレに行く度にスクワット。
壁に回数込で貼っておく。

人間は忘れる存在だからだ。

やりたいことは勝手にする。

やりたくないことはすぐ忘れる。

山谷さんには順番交換を提案した。

買い物に行く
料理をする

食べる(食べさせる)

順番を変えさせた。

食べてから料理は難しい。

食べてから明日の買い物を。

 

いらんものを買わないかもしれない。
カロリー消費で歩くかもしれない。

効くかどうか?

次回診察のお楽しみ。

やる気が出てきたみたいだから

よしとしよう。

無理をせず、少しずつ変えてれば
意外と遠い所まで行ける。

オカルト?ちゃうちゃう

行動や習慣を変えたい。
そう思っている人は多い。

本屋に行けばよくわかる。
そういうよく本が売れている。

変わろうという決意はあるのだ。
決意が持続しないのだ。

なぜか?
意志の弱さ?
では意志って何?

これまた抽象的な言葉だ。
決意とよく似た言葉を使って
説明しても意味はない。

決意を忘れるからではないか?
忘れても人生は送れるからだ。
当然だ。
決意する前も人生を送れていた。
現状を持続する意志は強いと
言えなくもない。

決意を忘れないことが大切だ。
忘れない工夫の一例を紹介する。

生活習慣病の患者さんのケース。
習慣を変えないと治らない。
(変えずに薬だけ飲む人もいるが…)

たとえば
「お腹がへこまないんですよ」
という患者さんがいる。

忘れない環境づくりが必要だ。

ジムに通う?
ランニングする?
間食しない?
食べすぎない?

全部ムリに決まっている。
良い習慣とは何か、は皆知っている。
できないから医者に来ているのだ!

うちのやり方はこうだ。
「へこむようにしてあげます」
と言って、お腹を触る。
そして念を送る(←大事)。

真剣な顔で
「へこむ念を送っておきました」
これでOK。

ホントに効くのだ。

なぜか?
医者にお腹を触られて念を送られた。
それは記憶に残るからだ。
そう簡単に忘れられない
非日常経験だからだ。

自分のお腹を触る度に思い出す。
(主治医に念を送られたお腹だ!)

主治医との約束を守りたい
患者にはとてもよく効く。

ご利益が欲しい人!
触ってあげますよ♡

令和の医者坊主

「運動してはいけません」

千田さん(45歳男性)はある医師に
2年前そう忠告された。

レントゲンで異常があったそうだ。

その忠告をマジメに2年間守っていた…

今回当院で検診を受けた。
コレステロールが上がっていた。
千田さんは自己流で頑張った。

3ヶ月後、見事に数値は改善していた。

「すごい!どんな工夫したの?」
「運動しました」
「効果テキメンやね」
「もともと運動は好きなんです」
「ほう」

「医者に言われて止めてたんです」

胸部写真は現在全く問題なし。

運動制限の必要はあったのか?

とにかく千田さんは前医に対して
不信感を抱き、当院へ来た。
「運動の成果ですかね?」

千田さんは訊いてきた。

「運動を禁じた前医のお陰でしょ!」
そう答えた。

千田さんはずっと運動が好きだった。

医師に止められるまでは続けていた。

止めている期間があったからこそ、

運動の効能がわかったわけだ。

習慣を止めることで気づくことができた。
どんな過去も肯定しといた方がいい。
今が良いなら過去はすべて肯定だ。

すべては必要な経験だったのだ。

我ながらお坊さんのような説法だ。
ちなみに千田さんはお寺の住職である。