水際か免疫か?


幼稚園も保育園も休園している。
子供たちのストレスもマックス。
子供の世話で妻の仕事も停滞。
週末から妻子は実家に帰省している。

うちの実家である大阪に一旦寄り、
その後、宝塚にある妻の実家へ。
帰省途上、ガラガラの新幹線の車内で
大阪府知事の「大阪兵庫間の往来自粛」
のアナウンスを知った。


帰省は、「アナーキー」な行動と取られる
かもしれないが、やむを得ない。

夫は世間で「ハイリスク」認定の診療所で
働いている。
妻子にとっては自然が多く、換気の良い
実家の方が「ローリスク」だ。
広い場所で運動もできる。

K-1や宝塚が興行を決行したようだ。
批判覚悟の英断だ。
ストレスフルな状況こそ娯楽も必要だ。

悲壮感漂わせた顔で、ヒステリックに
水際対策を他人に強要する人々。
こんなときでも、いや、こんなとき
だからこそ、娯楽を楽しむ余裕のある人。
どちらの「免疫」が機能するだろうか?


「笑い」が効くというエビデンスや報告は
かなり信頼できるデータのようだ。

みんなアホになりすぎていないか?
どうせ「アホ」になるなら、
自分が望むアホになろう。


幸いウチの診療所は患者さんが多いし、
みな明るい。
今日も笑顔あふれる外来をやるぞ!

(笑)

小山さんは85歳独居女性。
家の中は「江戸」だらけ。
提灯や江戸家具、歌舞伎や相撲文字。
亡き夫の趣味と思しき任侠風味…

それに加えて、文化とは異なる
不思議な「明るさ」がある。
独居特有の「寂しさ」が薄い。
なぜだろう?

江戸の色彩は概してシックだ。
(花魁文化は別…)
色も「原色」という感じではない。
小山さんは倹約家なので電気も暗い。

理由がわかった。
そこら中に
「ユーモア」「笑」
という字があったのだ!


デイサービスで書いた作品
「いつも心にユーモアを」
「笑う門には福来たる」

壁にたくさん貼ってある。

「笑」「ユーモア」という字の持つ
ポテンシャルはあなどれない。

嘘だと思うなら「笑」という字を
じっと見つめてみてほしい。
笑けてくるでしょう?

笑福亭笑瓶はラッキーだ!
「笑」が二個も入っている!
強力な芸名だ。

「診療所」も「診療笑」にしたら
楽しいかも…

超常現象

「オシッコが出て仕方ないんですよ」
排尿回数が多すぎると娘に指摘され、
大杉さん(82歳、男性) は来院した。

膀胱炎の可能性もある。

「尿を調べましょう」

2時間経過。
待てど暮らせどオシッコが出ない。

「どうしても出ないんです」
「ホンマに頻尿?貧乳の間違いでは?」

「(ボケは無視され)治ったかな?」

勝手に治ってよかった。
「また困ったら来て」
大杉さんは首をかしげながら、
帰宅。

北川さん(71歳、女性)は動悸が主訴。
「昨日はドキドキして眠れなかった」
「不倫してんの?」

「もう若くないわよ!」

北川さんの夫はうちの患者だ。
夫から
「診療所行って来い!」
と促されて来院した北川さん。

「今どう?」

「憑き物がとれたように治ったわ」

ニコニコで帰ってくれた。
夫の喜ぶ顔が目に浮かぶ。

「頭が痛くて仕方がない」
小沢さん(26歳女性)はバーベキュー後、
嘔吐した。

吐き気が改善したら今度は頭痛だ。

「どんな風に痛い?ズキンズキン?
それとも、ギューッって感じ?」
「ギューッと締め付けられる感じ」
「バーベキューは何の肉?」
「えっ?」
「牛?豚?鶏?魚?」
「ああ、牛」

「そっちもギューなんやね」

てな話を2~3分したところで
「ところで今痛みどない?」
「あれ?治ってる…」

こんな日もある。
何もしなくても治ってくれる人が
連発する日。

人体とはそんなものなのだろう。
患者さんは治りに来てるのだから。

決して、オカルトや超能力ではない。
何となく音楽的調和がはまる日。

人体もリズム楽器なのだ。

百発百中になる日が来るといいな。

後日談

みな、再発してないそうだ。
よかった。