薬がキク~ッ!

早い話が
黙って薬を飲みなさい
ということだ。

白川さんは73歳女子。
コレステロールと中性脂肪が高い。

肥満が改善すれば治るだろう。

残念ながら50年ほど肥満している。
しかも進行性だ。

「肥満という快適領域」の住人だ。

検診で指摘され、当院へ来た。
薬を飲むとことに同意した。

しかし、きちんと飲まない…

「ホントは飲まない方がいいのよねえ」
この期に及んでいさぎ良くない。

頑なに薬を飲みたがらない人がいる。

高脂血症、高血圧、糖尿病。
生活習慣病と呼ばれる疾患だ。

症状として、痛みも痒みもない。

患者さんは大抵「すぐに効く」が欲しい。
本音は「明日痩せたい」なのだ。

変化が見えなければ動機は弱い。

生活習慣病を抱えている人は
「崖までの暗い道を歩いている」
とよくたとえられる。

落ちたら人生は180度変わる。

腎不全、脳卒中、心筋梗塞…
大病を予防するために飲むのだ。

医療の発達に感謝すべきでは?

何も起こらないまま生を全うする人もいる。

医師は「確率」の話しかできない。

食生活の改善、運動を増やす。
理想はみんな知っている。

それがままならないから医者に来ている。

「薬飲めばいいじゃん!」

人生楽しまなきゃ損!
薬を飲んでほどほどに美味いモノを食う。

世の中美味いモノも多い。
炎天下で身体を動かすことこそ毒だ。
機が熟したら、腹4分にすればいい。

好きに身体を動かせばいい。

薬が存在することに感謝すべきだ。
とにかく定期的に受診してほしい。
エエ感じに「洗脳」されれば、白川さんは

薬を卒業できるかもしれない。

最後に白川さんにメッセージを渡した。
「薬は嫌いになっても
原田医師のことは
嫌いにならないでください」
アレ?どこかで事聞いたことあるな…

デンジャラス・ゾーン

数年前キューバで旅をした。
行く前も後も周囲から
「怖くないの?治安とか」
散々言われた。
実際のキューバはかつて訪れた
どの国よりも安全だった。
人は穏やかで、夜は早々静かだった。
情報がアップデートされていない。
キューバ革命時の混乱や、移民の犯罪。
その辺りで止まっているのだ。
キューバ、野球、ラテン、社会主義。
50年間それだけ。
興味がない国は危険な国になるようだ。

在宅患者さんの高杉さん80歳。
足が痛くて自宅にいる時間が増えた。
最近はほとんど家の外に出ない。
往診するといつも情報番組を見ている。
うちにはテレビがないので、
往診患者さんの家のテレビは新鮮だ。
つい、目がそちらへ向かってしまう。
番組構成、コメントに正直イラつく。
あえて番組名は出さないが、
どの局も似たり寄ったりだろう。

「下半身の一部が切り取られた死体を
女性が湘南で見つけたニュースです」
センセーショナルな予告でCMに入る。
「見つけた人トラウマになるわよねえ」
とナース。
「怖い世の中だからねえ」
という高山さん。
日本は世界で最も平和で安全な国だ。
殺人発生率は10万人当たり0.28人。
(ちなみにエルサルバドル82.84人)
年々、数字上の凶悪犯罪も減っている。
家にいると世の中は危険になるようだ。

一層高杉さんは引きこもるだろう。

テレビが娯楽だった時代がなつかしい。