うつは感染症?


子供にお土産を買って帰る。
ちょっと隠したあと
「ジャ~ン!」
と披露したときのこぼれる笑み。
みんな昔はできていた。

喜びの表現が下手な人が多い。
周りががっかりする。

みんな喜び方が足らん!

『疲労がうつを引き起こす機序に
子供のころ感染した「ヘルペス」が
関係しているかもしれない』

慈恵医大の発表だ。

子供のころ感染したヘルペスは、
大人になっても唾液に潜んでいる。
脳に感染すると、あるタンパクを作る。
うつ病とそうでない人の間で
そのタンパクに対する「抗体価」に
有意な差があった。

たしかにそうなんだろう・・・

では、それは「運」だけなのか?
脳に感染するかどうか。
因果はえてして循環している。
うつになったからウイルスが
目覚めたかもしれない。


当院外来で経験したことだ。
今回のコロナ禍で、季節外れの
「帯状疱疹」が増えた。
帯状疱疹もヘルペスの一員だ。

「コロナうつ」が帯状疱疹を
引き起こしだのでは?


そんな仮説を自然と立てている。

いずれにせよ、治療法に光が差す
のは好ましいことだ。

抗体価は数値化することができる。
「嬉し値」や「楽し値」は
数値化できない。

自分のさじ加減次第だ。

「きちんと喜べばうつが治る」
とは科学者として言えない。

しかし、周囲の気分が上がることは
間違いない。
ヘルペス同様「気分」も感染するからだ。

真のツッコミになるために


大野さんのお姉さんは認知症だ。
しっかり者のお姉さんだったらしい。
もうすぐ自分の顔も忘れるのでは?
大野さんの顔は寂しげだ。

自分に置き換えてみる。
自分の妹が?自分の弟が?
まだなかなか臨場感を持てない。

「おいくつなんですか?」
「88歳なのよ」
「死の恐怖も忘れてるかもね。
それは幸運ですよ」


「旦那の顔も忘れることが多いそうよ」
「出会った頃の新鮮さが保てる!
毎日初恋じゃないですか!」


近い将来認知症患者は800万人まで
増えると試算されている。
ツッコミも最低800万人必要だ!
医者は30万人しかいない。
全然足りないではないか!

悲劇として生きるか?
喜劇として生きるか?

「記憶」は残らないかもしれない。
しかし「気分」は残る。
気分を大切に生きると決めたら
毎日リセットできる認知症も
捨てたもんじゃない。


認知症になろうと、介護する側になろうと
一回こっきりの人生。
残された人生を全うするしかない。

認知症にならない方法?
そんなことに執心するより、
いつもいい気分でいられる工夫を!