病を水に流せるか?

利き手でない左手の機能向上に
努めている。
左手をもっと繊細にしたい。
まあ主に楽器演奏が目的だが…

石川さんは79歳の男性。
趣味は渓流釣り、麻雀、水墨画
晩酌も毎日する。

若い頃は会社を経営していた。
イケイケだったそうだ。
徹夜麻雀を3日続けたこともある。
毎日ウイスキーはボトル1本。

本人いわく
「滅茶苦茶してましたよ」

そんな生活が影響したのか。
50代のときに脳卒中を発症した。
右半身の麻痺は今も強く残っている。

バリバリやっていた人ほど
自暴自棄になる。
しかし、石川さんは逆だった。
「まあしゃあない」
と開き直った。

クヨクヨする、という言葉は
石川さんの辞書にはない。

渓流釣りは奥さんが同行し、
餌つけ係を担当している。
最初は虫が苦手だった奥さん。
今は、ミミズもゴカイも楽勝だ。

「卒中やったお陰でむしろ、
前より色々やってません?」
「そうかもしれませんね」
ガハハと笑う石井さん。

済んだことは忘れる。
病も水に流す。
はい次、はい次。
川の流れのように…

へこたれない患者さんから
学ぶことは無限だ。