”喫煙はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)
の原因です。年間~人亡くなります”
赤坂の喫煙所で見つけたポスターだ。
このポスターは絶対に身体に悪い。
タバコの有害性が上昇する。
佐藤さん(60歳女性)は、昨年
同居していた兄を亡くした。
タバコと酒をこよなく愛する兄。
両親を早くに亡くした佐藤さん。
お兄さんが親代わりだったそうだ。
最愛の兄の死で悲嘆にくれていた。
しばらく眠れない日が続いた。
睡眠導入剤を処方してあげた。
半年ぶりに来院した佐藤さん。
「眠剤頑張って止めてます」
と誇らしげに言った。
「飲めばいいじゃん」
「認知症になりたくないし」
「何で?」
「誰も面倒みてくれないもん!」
「誰にも面倒かけないのなら、
認知症でもいいんじゃないの?」
「そっかあ!」
眠剤を飲まなくても眠れる。
だから、眠剤はいらない。
ヘトヘトになって眠りに落ちる。
だから、眠剤はいらない。
それで行こう、そう告げた。
人に迷惑?面倒をかける?
そんなことは動機にはならない。
そんな人は最初から薬を飲まない。
禁煙も続いているそうだ。
本人いわく「奇跡」だ。
供養の気持ちで禁煙を継続している。
素晴らしい。
「兄さんの分まで酒とタバコ
やってあげたら?」
つい天邪鬼をしてしまう。
さすがに
「そっかあ!」
とはならない…
身内の死は「有限」を教えてくれる。
残りの人生において、酒とタバコが
無駄だと思うなら止めればいい。
病気にならないため?
そんな消極的な理由は動機にならない。
そんな人は最初から吸わない。
新たな一歩を踏み出す。
そのために古い習慣を捨てるのだ。
兄の分まで今生を楽しもう!
後悔なきよう。