コロナバブル?


アメリカのコロナ死者数が衝撃的だ。

アメリカの人口は3億2775万人。
新型コロナ感染者は311万人超、
死者数13.3万人。

日本の人口の3倍に満たない国で
150倍感染し、65倍死んでいる。

さすがにトランプ大統領も心中は
穏やかではないはずだ。

そんな中、アメリカ富裕層の資産が
増えている。
60兆円以上資産を増やしたらしい。
多くの富裕層が「コロナバブル」で
儲けているそうだ。

戦争で儲け、感染症で儲ける。

話は変わる。

マスクの品薄が報道された時期、
下町のマスクは華やいだ。
手ぬぐいやハンカチを使った
自家製マスクが乱舞した。
自分も外出時は、もっぱら患者さんの
手作りマスクを着けている。

斎藤さん(72歳男性)は刺繍職人。
さすがプロ!
クールな刺繍のマスクを作ってくれた。

今仕事が楽しくて仕方がないそうだ。
遊び心のマスク刺繍が評判は、ついに
AKB48にまで届いた!

高級マスクの刺繍を請け負っている。

「全然安い仕事なんだけどね」
裏話を聞いたが、確かに高級マスクに
釣り合わない報酬だ。
だけど全然構わないそうだ。

「仕事しながら死にたい」
斎藤さんはそうカッコをつける。
「このご時世に儲けちゃあバチが当たるよ」
どこかの国の金持ち連中に聞かせてやりたい。

香ばしい音色


櫻井さん(93歳男性)は
進行胃がんで緩和ケアをしている。

肺がんと肝臓にも転移があるが、
幸い痛みも呼吸苦もない。

妻を亡くして20年になるが、
身の回りも自分でやってきた。
年齢と病状を感じさせない気丈さも
やはり、限界に近づいている。

先日転倒して気弱になった。
臨時往診をした。

「今日は良くないね」
「食べる気しないですか?」
「鰻なら食えるかも」
「そこの吉野家ならあるかも」


ネットでメニューを確認。
大丈夫、まだあった!

ヘルパーさんが来るときに
買ってきてもらうことにした。
鰻重のタレの香りで十分だ。

テレビのついていない部屋は静かだ。
櫻井さんは陸軍でシベリアにいた。
その頃の話になった。

当時のソ連軍の機関銃は形状から
「マンドリン」と呼ばれていた。
4年間マンドリンを習っていた。
そんな話をしている櫻井さんは元気だ。

「マンドリン聴きましょうか?」
櫻井さんはほとんど使えない
スマホを息子に与えられていた。
「マンドリン演奏」で検索する。
You tube でいくらでも出てくる。

良さげな合奏を見つけた。
「上手だね」
綺麗な音色に櫻井さんは上機嫌だ。
しばらくすれば鰻重も届く。

マンドリンの音色と鰻の香り。
時代のスペックを活用すれば
終末期の部屋も華やぐ。


悲壮感も工夫次第だ。

あなたの役目は何ですか?

早い話
社会にとっての自分の役目とは?
ということだ。

牛島さんは90歳男性。
同い年の妻の介護をしている。

たまに外来受診するが、
いつも背筋がピンと伸びている。

今日もニコニコしながら
「あのおじいさんよりはまだ元気かな」
牛島さんが指差した患者さんは
牛島さんより10歳年下だった。

昨年数十年努めた町会長を退いた。
地域貢献という役目を果たしてきた。
「燃え尽き症候群」を少し心配した。

「お元気ですか?」
訊いた。
「残りの人生の間に、戦争体験を
まとめたいと思ってます」
牛島さんは強い眼力でそう答えた。

世界、いや宇宙にとって大切な役目だ。
「手伝わせて下さい」
思わず言ってしまった。

常に自分の役目(機能)を理解する。
そういう人は健全だ。