黙ってやれ!

著者は妻の知人の娘さんだ。
優秀なだけでなく、人格的にも
素晴らしいらしい。

日本の受験勝者とは一線を画する。
参考になる面がいくつかあった。

著者は自身の最大の強みは
「淡々と頑張れること」
と言っている。

著書の中でも「頑張る」「努力」
という言葉がしばしば登場する。
一般に認識されている概念とは

異質のもののようだ。

「苦痛」や「嫌い」が感じられない。

某社でセミナー講師をする機会があった。
快適領域の話になった。
(下線をクリックして下さい。)

快適領域でしか人は力を発揮できない。
いわゆる「努力」「頑張る」では
不快領域に入るので能率が上がらない。
むしろ逆向きのモチベーションがかかる。
だから嫌なことはしてはいけない。

そんないつもの話をした。

「そうは言っても、嫌なことでも
しないといけないときどうするか?」

いつもの質問がきた。

答えは

「默まってやれ」
だ。

いちいち不満の感情に付き合うな。

(本当はやりたくないんだけど…)
が、心に現れた瞬間、能率が下がる

どころか健康も害する。

淡々とやれ、粛々とやれ、だ。
もはや歯を磨くのに理屈をこねない。

でしょ?

渡世の義理で避けられない問題はある。
「嫌だから」という理由でそれを
避けて通れば、社会的存在ではない。
いちいち感情を介さずやるしかない。

「達人」と呼ばれる人は概して、
「ルーチン化」している作業が多い。
呼吸の如く、ルーチンをこなす。

淡々とやる。粛々とやる。

人生時間は皆同様に有限である。
時間を濃く使わなければ勿体ない。

酒席は社会的には必要かもしれない。
わけがわからなくなるほどの深酒は
無駄遣いだということだ。

薬がキク~ッ!

早い話が
黙って薬を飲みなさい
ということだ。

白川さんは73歳女子。
コレステロールと中性脂肪が高い。

肥満が改善すれば治るだろう。

残念ながら50年ほど肥満している。
しかも進行性だ。

「肥満という快適領域」の住人だ。

検診で指摘され、当院へ来た。
薬を飲むとことに同意した。

しかし、きちんと飲まない…

「ホントは飲まない方がいいのよねえ」
この期に及んでいさぎ良くない。

頑なに薬を飲みたがらない人がいる。

高脂血症、高血圧、糖尿病。
生活習慣病と呼ばれる疾患だ。

症状として、痛みも痒みもない。

患者さんは大抵「すぐに効く」が欲しい。
本音は「明日痩せたい」なのだ。

変化が見えなければ動機は弱い。

生活習慣病を抱えている人は
「崖までの暗い道を歩いている」
とよくたとえられる。

落ちたら人生は180度変わる。

腎不全、脳卒中、心筋梗塞…
大病を予防するために飲むのだ。

医療の発達に感謝すべきでは?

何も起こらないまま生を全うする人もいる。

医師は「確率」の話しかできない。

食生活の改善、運動を増やす。
理想はみんな知っている。

それがままならないから医者に来ている。

「薬飲めばいいじゃん!」

人生楽しまなきゃ損!
薬を飲んでほどほどに美味いモノを食う。

世の中美味いモノも多い。
炎天下で身体を動かすことこそ毒だ。
機が熟したら、腹4分にすればいい。

好きに身体を動かせばいい。

薬が存在することに感謝すべきだ。
とにかく定期的に受診してほしい。
エエ感じに「洗脳」されれば、白川さんは

薬を卒業できるかもしれない。

最後に白川さんにメッセージを渡した。
「薬は嫌いになっても
原田医師のことは
嫌いにならないでください」
アレ?どこかで事聞いたことあるな…

おばちゃんを育てよう

早い話が
オッサンはおばちゃんを目指せ
ということだ。

102歳になった綿田さんが亡くなった。
入院先の病院で。
入院は避けたかった。
入院したら絶対帰ってこれない。
わかっていたからだ。

信頼されていた自負はあるが力不足だった。

息子二人は近隣に住んでいる。
息子が介護をするのは難しい。
それは重々理解している。
だからバックアップするつもりだった。
24時間の電話待機。
夜間にヘルパーに入ってもらう。
何より本人の自力がすごい。
家で過ごしたい、そう思っている。
息子に伝えた。
「一日一回だけ訪問したげて」
交互でかまわない。

リクエストはそれだけだった。

母の衰えを見るのが辛かったのだろう。
70代のオッサンには。
「病院入ったら帰ってこれないよ」
予言通りになってしまった。
たった4日で…
会話もしっかりしていた人が。
そらそうだ。

快適領域を強引に変えられたもの。
医者にもかからなかった人だ。

自戒を込めて言う。
オッサン、しっかりせえよ。
そしてお母さんたちにも言う。
そんなオッサンを作るな。
情厚く、最期まで逃げずに看取る。
おばちゃんのほとんどがそうしている。
オッサンは大抵逃げる、目を背ける。
親の顔が見たい!
死んだ母親か。
しゃあないか…