大盛り無料

宅配弁当の鈴木さん。
当院でも注文している。
安くて美味しいと評判だ。
家族経営をしている。

最近店主が大腸がんで亡くなった。
心配したが残った家族、妻(70)と
息子(42)で経営継続している。

「最近お弁当のご飯多くない?」
「そうよねえ!」
「息子がご飯を盛ってるのかな?」
「若いから自分の分量なのよ!」

スタッフの会話が聴こえてきた。

別室から参入した。
「お母さんとちゃいますか?」
突然参入してきた医者に驚いた。

持論を展開した。

ご飯を盛っているのは母親だ。
以前は弁当作りにノータッチだった。
主人が死んで母も参加した。
大抵男はケチだ。
お母さんの方がご飯を多く盛る。

「そうかもしれない!」
スタッフは納得して笑っていた。

鈴木さんは自分の患者さんだ。
ケロッと乳がんを克服した人だ。
茶道の先生もしている。
ということは「おもてなし」を
熟知している。

気性を知っているからわかる。

がんばれ!

ライブ「肉声と肉筆」

勇田さんは大腸がんの治療中に
悪性リンパ腫を発症した。

悲嘆にくれた時期もあったが、
両疾患ともほぼ克服した。
祝福した。

「ホント元気になりましたよね」
「皆からメールで大丈夫?元気?
って。返事が大変なんですよ」


メールは「大丈夫?」のハードルを
下げてくれる。
「病状見舞い」を電話でするのは
少々ハードだ。
こういうのも「雑談力」が低下する
一因になっているのかもしれない。

「返事を自筆で書いたらどう?」
勇田さんに助言した。

あえて自筆で。
大切な人にだけでも。
時節柄、年賀状という手もある。
筆力で「元気」を見せる。

「肉声」「肉筆」という言葉がある。
メールのデジタル文字には
骨も肉もない。

うお~、元気になったぞお!

熱く書かないと伝わらない。
逆に心配されるかもしれないが…
https://imcjapan.org/medicalcoaching/末っ子の一大事?fbclid=IwAR1A4RwqJYpECts2BklBFa02YTbIubPTA4tAJV1uowa0v7fev7RYeh7ZV4Q

末っ子の一大事

勇田さんは69歳男性。

大腸がんと悪性リンパ腫を克服した。

短期間の間に二つの大病を患った。
非常にレアケースだ。
大腸がんを卒業した途端、リンパ腫発症。
化学療法が著効し、リンパ腫も寛解した。

心折れることなく本当によく頑張った。

「本当に良かったですねえ」
健闘をたたえた。
当院は、風邪や下痢の治療を担当した。
それから「通訳」も若干手伝った。
大病院の医師の説明には通訳が必要だ。
安堵の表情を浮かべる勇田さん。

通訳も心の底から喜んだ。

勇田さんは5人兄弟の末っ子だ。
長男とは7歳しか離れていない。
術中術後兄弟が代わる代わる来てくれた。
末っ子の一大事!
兄ちゃん、姉ちゃんは気が気でなかった。

いくつになっても末っ子は末っ子だ。

兄弟と病室で話す、笑う。
心の底から安らいだそうだ。
まさに「真の癒し」だったことだろう。

昔話に花が咲き、若い頃にトリップする。

愚痴を聴かされることもあった。

兄の愚痴を1時間も聴き続けたそうだ…

すべての会話が治癒の材料になったはずだ。
死ぬほどの大病を2つも経験した。
兄弟全員が「死」を意識しただろう。
病室で兄弟で過ごした時間はさぞかし熱く、
重厚だったにちがいない。
たまに「病」も悪くない。