水虫という国民病


日本人の約2000万人が糖尿病
もしくは糖尿病疑いである。
実に6人に一人がほぼ糖尿病だ。

糖尿病は症状が出にくい疾患だ。
喉が渇いて水を飲みまくり、
オシッコだらけで医者に来る。

そんな教科書的な状態まで
放置する人は珍しい。

検診などで指摘され、注意し始める。
場合によっては薬を飲むことになる。

糖尿病で怖いのは合併症だ。
その一つに神経障害がある。
痛みや痒みに鈍感になる。
だから傷ができても気づかない。


普段、足の指や足の裏を観察する
習慣がない人は多い。
足に傷ができ、気づいたときには
とんでもない状態になっている。

そんな人がたまにいる。

来院時、親指の骨がむき出しに
なっていた人もいた。
その人は指一本切断するだけで済んだ。
下肢を切らないといけない人もいる。

ちなみに一年間に何人の人が下脚切断を
余儀なくされているか?

毎年3000人を下らないのだ!

切らなければバイキンが身体中を
巡り、命に関わる。
苦渋の切断だ。

ちなみに傷の原因は大半が「水虫」だ。
産まれながらの水虫はいない。
家族や他人に伝染されている。


日本人の4人に一人が水虫と言われている。
保菌者もふくめて。
患者さんを診ている実感にも合っている。

新コロ蔓延にともない、医療従事者への
差別が増えているらしい。

それで閉院したクリニックもある。

現場にいる自分も差別されているのか?
自分も家族も全然平気だ。
差別する側の「窮屈」をむしろ慮る。
しかし、スタッフや、スタッフの
家族のことを考えると悩ましい。

3000人が脚を切断する原因菌の
保有者が3000万人ほどいるのだ。
「伝染さない」が大切なのであって、
「伝染らない」の限界を知った方がいい。


もう伝染っているのかもしれない。
半数は症状がないのだから。
それを「ゼロトラスト」という。

差別している自分が水虫ではないか?

少なくとも医療従事者がストライキを
起こしたら間違いなく国は滅びる。

「明日は我が身」でよろしく。

油モンの魅力

コレステロールが下がった小宮さん。
76歳という年齢だが、
無類の「油モン」好きだ。

どこそこのトンカツが、天ぷらが…
語り出すと止まらない。
臨場感ある語りに口の中が
唾液で満たされる。

お腹の音が鳴り、正気に戻る。
「何の話してるんですか!」
叱っても、小宮さんはニヤニヤ。

油モンばっかり食べる小宮さん。
胸焼けしながら食っている。
当然コレステロールは高くなる。
狭心症や心筋梗塞のリスクになる。

よく効く薬はあるが、足が攣る、
肝機能障害などの副作用がある。

テニスをする小宮さんは足が
攣りやすくなっている。
できれば薬を止めたいところだ。
油モン好きが「ネック」だ。

この年齢の人の好物を止めさせる
了見は持ち合わせていない。
高い店限定で油モン許可を出した。

高い店が良いとは限らないが、
下町で生き残る店は割と
値段に比例する。

回数を減らして堪能することに。
高い店は油と素材が良い。
「胸焼けしない」を基準にした。

結果、週一回の油モンに収まった。
(年齢にしては十分すぎるが…)

するとコレステロールは
みるみる改善していった。
小宮さんは他に大きな
リスクや合併症がない。
薬は卒業となった。

でも、しょっちゅう外来に来る。
新規開拓した店を教えてくれる。
で、最後にはお約束
「何の話してるんですか!」
叱られた小宮さんはニヤニヤし、
お開きとなる。