モテますか?


國武さん72歳は直腸がん術後だ。
無事5年経過した。
昨年、妻がステージIVの食道がん
から5年経過し、放免された。
娘は乳がんの手術から4年経過した。

つまり、妻、本人、娘と
毎年がんを発症し、手術した。

おせっかいな人は
「お祓いした方がいいんじゃない?」
などと言うかもしれない。

しかし、國武家は持ち前の明るさで
ずっとアッケラカンとしていた。

アッケラカン主治医が舌を巻くほど。
性格も治癒を手伝った可能性はある。

最も軽症な娘も、間違いなく
来年を無事に迎えるだろう。

國武さんのお父さんは当院の
在宅診療患者だった。
呉服屋をしていて、粋な人だった。
100歳近くだったが、ヘルパーからも
よくモテた。


健康長寿の遺伝子?
それもあるだろう。
だけど、モテる男は概して長生きだ。

そういえば「モテる」って不思議だ。
周囲を健康や幸せにするのかもしれない。

よし!
堂々と「モテ」を追求しよう。

食い意地

早い話が
「栄養学」を信頼しているが、
信用していない。


食事療法が必要な患者さんには
栄養学に基づいて指導する。
完全に信用していないのは、
例外がいくらでもあるからだ。

肉ばっかり食べて元気な高齢者。
菜食主義のインド人に糖尿病や
高脂血症が増え続けている。
水を飲んでも太るという人もいる。
一食しか摂らず何年も過ごす人もいる。


健康長寿の高齢者に日々の食生活を
聴くようにしている。
結論から言えば、ホントにマチマチだ。
傾向として言えるのは、
「好きなモノを少量」
食っている感じだ。

食事制限という言葉に代表される
ストレスがないのだけは共通だ。

健康だから食事制限は不要なので
鶏が先か卵が先か、なのだが…

中学生の頃から診察している
大原さんは管理栄養士として
病院で働いている。
今でもたまに当院に受診する。

上記のような私見を述べ、意見を
求めるが、あまり明快な答えは
もらえない。

「栄養学は人類のものやけど
食いもんは個別やで」

というような医療従事者失格な
意見を言い、苦笑いされる。

大原さんは非常に痩せている。
人並み以上に食べ、甘い物に目がない。
いわゆる「痩せの大食い」。
彼女自体が栄養学の矛盾なのだが、
もちろん説明不能だ…

長生き玉子

健康長寿の患者さんに
「何を食べているんですか?」
と尋ねる。

実に千差万別だ。
「何でも食べる」という人もいるが、
「〇〇は絶対に食べない」という人が

意外と多い。

神田さん(95歳)は納豆を絶対に
食べないそうだ。
ただし玉子のこだわりはすごい。
神田さん御用達の玉子店を
紹介してもらった。
確かに美味しい玉子だった。
神田さんの健康長寿の源と知ると

ご利益があるような気がする。

世間の健康情報など気にせず
「これがいい!」と確信を持つ方が

いいのかもしれない。

吉田さんは84歳の女性。

最近胃の調子が悪い。

「クルミが原因だと思うの」
「クルミ?」
「テレビで言ってたのよ、良いって」
「クルミってリスの食べ物でしょ?
リスの上前はねたらあきませんよ」

「罰当たったのかな」

医師の立場から言わせてもらう。
いくら情報番組の宣伝が魅力的でも、
80歳を超えて、不慣れな食べ物に

挑戦するのはオススメしない。

自分の体で人体実験しているの

だから文句はないのだけれど…

ヒトの食に対するチャレンジ精神は
呆れるほどだ。

他の動物界ではあり得ないことだ。
リスも納豆は絶対に食べないはず…