血は水よりも濃い

浦川さんは74歳女性。
昨年から検診を受け始めた。

「悪い所だらけだと思います。
腹を決めてました」

結果は”特A”だった。

ちなみに浦川さんの母親は
98歳で投薬なし、認知症なし。
遺伝的要素も強そうだ。

これまでの人生、薬もほとんど
飲んだことがないそうだ。

「昨年先生にかけられた言葉を
支えに一年間生きられました」

覚えていない…
どうも、ホメたようだ。

「血を抜くのは最小限でお願いします」
「血液ってどれだけあるか知ってる?」
「いえ、知りません」
「大体、体重の8%ほどなんですよ。
体重40kgだから3リットルちょいね。
検診で抜くのは5cc弱。誤差やね」

浦川さんの検診結果は今年も
”特A”だった。

神経質ゆえ危険に挑戦しない。
だからきっと長生きするだろう。
楽しいかどうかは知らないが…

令和の医者坊主

「運動してはいけません」

千田さん(45歳男性)はある医師に
2年前そう忠告された。

レントゲンで異常があったそうだ。

その忠告をマジメに2年間守っていた…

今回当院で検診を受けた。
コレステロールが上がっていた。
千田さんは自己流で頑張った。

3ヶ月後、見事に数値は改善していた。

「すごい!どんな工夫したの?」
「運動しました」
「効果テキメンやね」
「もともと運動は好きなんです」
「ほう」

「医者に言われて止めてたんです」

胸部写真は現在全く問題なし。

運動制限の必要はあったのか?

とにかく千田さんは前医に対して
不信感を抱き、当院へ来た。
「運動の成果ですかね?」

千田さんは訊いてきた。

「運動を禁じた前医のお陰でしょ!」
そう答えた。

千田さんはずっと運動が好きだった。

医師に止められるまでは続けていた。

止めている期間があったからこそ、

運動の効能がわかったわけだ。

習慣を止めることで気づくことができた。
どんな過去も肯定しといた方がいい。
今が良いなら過去はすべて肯定だ。

すべては必要な経験だったのだ。

我ながらお坊さんのような説法だ。
ちなみに千田さんはお寺の住職である。