油モンの魅力

コレステロールが下がった小宮さん。
76歳という年齢だが、
無類の「油モン」好きだ。

どこそこのトンカツが、天ぷらが…
語り出すと止まらない。
臨場感ある語りに口の中が
唾液で満たされる。

お腹の音が鳴り、正気に戻る。
「何の話してるんですか!」
叱っても、小宮さんはニヤニヤ。

油モンばっかり食べる小宮さん。
胸焼けしながら食っている。
当然コレステロールは高くなる。
狭心症や心筋梗塞のリスクになる。

よく効く薬はあるが、足が攣る、
肝機能障害などの副作用がある。

テニスをする小宮さんは足が
攣りやすくなっている。
できれば薬を止めたいところだ。
油モン好きが「ネック」だ。

この年齢の人の好物を止めさせる
了見は持ち合わせていない。
高い店限定で油モン許可を出した。

高い店が良いとは限らないが、
下町で生き残る店は割と
値段に比例する。

回数を減らして堪能することに。
高い店は油と素材が良い。
「胸焼けしない」を基準にした。

結果、週一回の油モンに収まった。
(年齢にしては十分すぎるが…)

するとコレステロールは
みるみる改善していった。
小宮さんは他に大きな
リスクや合併症がない。
薬は卒業となった。

でも、しょっちゅう外来に来る。
新規開拓した店を教えてくれる。
で、最後にはお約束
「何の話してるんですか!」
叱られた小宮さんはニヤニヤし、
お開きとなる。

自殺という喧嘩

早い話が
喧嘩の仕方は下町に学べ
ということだ。

盆踊りの日、喧嘩が始まった。
片方は自分の患者さんだ。
喧嘩っ早いことで有名な人だ。

最初は冗談かと思った。
しかし、押し合いになった。

大事になるかもしれない!

そう察知し、止めに入った。
自分の他にも数人止めに入った。

自分以外、なぜか全員笑っている。
見物している人も笑っている。

何とか当事者二人を引き離した。
発熱したまま当事者たちは退散した。

すぐに、みなの笑顔が消えた。
止めに入った人も観衆も…

「何で喧嘩してたの?」
みな喧嘩の理由さえ知らない。

そうか!
喧嘩が始まったら笑うのだ!

なるほど「知恵」だ。
笑いで喧嘩を大きくするのを防ぐ。
「笑って誤魔化す」の応用例だ。
要は「煽るな」「焚きつけるな」だ。

隣国との関係が穏やかではない。
せっせと感情をぶつけ合っている。

どちらにも言い分はあるのだろう。
こんなときこそ「知恵」の出番だ。

どっちが正しいか間違いか?
勝ち負けは?
どうでもいいではないか。

笑える動物は人間だけだ。
笑いこそが最強の武器だ!

明日は9月1日。
子供の自殺が最も多くなる日だ。

子供に目を向けるべきだ。
よそ様の子供にも注意を向けよう。
緊張を解いてあげよう。

「死んだらアカンで」
その一言で一線を越えない。
何度も経験している。

今年の9月1日は日曜日だ。
翌9月2日まで注意が必要だ。

まずは自国の子供たちを守ろう!

暑さを蹴散らすありがとう

感謝しているのにそれを伝えないのは、
プレゼントを包んだのにそれを渡さない
ことと同じである

ウイリアム・アーサー・ウォード
(イギリスの哲学者)

「何にもお返しがないのよ」
「お礼ひとつ言わないからね」
高齢患者さんからたまに聴く言葉だ。

下町のちょっと怖い部分だ。

感謝はできるだけ早く。

そう心がけている。

咄嗟に出る「ありがとう」を美しく。
時間をかけるほど「解釈」が入る。
美しさは消えていく。
ありがとうも「即興演奏」だ。

相手にきちんと届く「ありがとう」。
自分の「ありがとう」がええ加減だと
他人の「ありがとう」にも鈍感になる。
世に空虚な「ありがとう」が蔓延する。

『ありがとうにバリエーションを』
最近耳にした言葉だ。
結構気に入っている。

今、目の前の人に伝えた「ありがとう」。
どんな色やったかな?