ライブ「肉声と肉筆」

勇田さんは大腸がんの治療中に
悪性リンパ腫を発症した。

悲嘆にくれた時期もあったが、
両疾患ともほぼ克服した。
祝福した。

「ホント元気になりましたよね」
「皆からメールで大丈夫?元気?
って。返事が大変なんですよ」


メールは「大丈夫?」のハードルを
下げてくれる。
「病状見舞い」を電話でするのは
少々ハードだ。
こういうのも「雑談力」が低下する
一因になっているのかもしれない。

「返事を自筆で書いたらどう?」
勇田さんに助言した。

あえて自筆で。
大切な人にだけでも。
時節柄、年賀状という手もある。
筆力で「元気」を見せる。

「肉声」「肉筆」という言葉がある。
メールのデジタル文字には
骨も肉もない。

うお~、元気になったぞお!

熱く書かないと伝わらない。
逆に心配されるかもしれないが…
https://imcjapan.org/medicalcoaching/末っ子の一大事?fbclid=IwAR1A4RwqJYpECts2BklBFa02YTbIubPTA4tAJV1uowa0v7fev7RYeh7ZV4Q

ちょっと声が聴きたくてさあ

「急ぎの電話?」
娘にそう訊かれるそうだ。

電話が遠くに離れていった。
携帯しているにも関わらず。

そう感じている高齢者は少なくない。

たしかに電話をかけにくい時代だ。
相手にも都合がある。
それは理解できる。
世の中そんなに大した都合あるか?

親からの電話以上に?

小坂さんは76歳男性。
娘が二度目の乳がんの手術をした。
病状は安定しているはず。
しかし、娘からメールが来ない。
以前はしょっちゅうメールが来た。
どうでもいい内容のメールが。
病状が芳しくないのかな?
気遣いをする小坂さん。

電話をかける勇気はない。

ときに文章は重くなる。
文面にすると見直すことになる。
それが術後の娘さんにはキツイのでは?
自分の愚痴を見直したくないのでは?
医師としてそんな風に説明した。

小坂さんは納得したようだった。

良くも悪くも言いっ放せる。
それが話し言葉の利点だ。

メールは時空両方ズレる。

「ちょっと声が聴きたかってん」
親子でそんな余裕も持てない。

そんな文明はいらない。