「なんか元気が出ないんです」
83歳独居の柄崎文子さん。
近隣の人に支えられるように来院。
色々調べたが基本ヘルシーだ。
うつの初期かもしれない。
食欲もなく、当初体重は減り続けた。
「困ったら来て」
本当に毎週来院している…
初診から3か月経った。
先月頃から改善の兆しが見えた。
食欲も出てきた。
食欲も出てきた。
服装のお洒落度が増している。
「それ、好きな色やわあ」
「それ、好きな色やわあ」
よく見ると顔も非常に綺麗だ。
「美人はややこしいんですよ」
差別的にイジりもした。
体重も増えてきて元気になった。
と思っている矢先。
「何かカッタルイんです」
とこれまた典型的ではない訴え…
「眠れてる?」
「はい」
「寝てるときはカッタルくないのね?」
「はい」
「今は?」
「今は大丈夫です」
「カッタルイの忘れてたんでしょ?」
「はい」
「ヒマが原因。忙しくして下さい。
死ぬとき後悔しないように」
寝てるときは忘れる。
症状を忘れている瞬間がある。
忘れられるレベルの症状ということだ。
その程度でガタガタ言わない。
その程度でガタガタ言わない。
いつもの冷たい助言だ。
「先生は評判いいから」
取ってつけたようなホメ殺しをされた。
「それならもっと評判上げて下さい。
柄崎さんが元気になって愚痴がなくなる。
それは診療所のおかげと吹聴してよ」
と言いながら気づいた。
手強い患者さんこそチャンスだ!
診療を楽しもう!