食い意地

早い話が
「栄養学」を信頼しているが、
信用していない。


食事療法が必要な患者さんには
栄養学に基づいて指導する。
完全に信用していないのは、
例外がいくらでもあるからだ。

肉ばっかり食べて元気な高齢者。
菜食主義のインド人に糖尿病や
高脂血症が増え続けている。
水を飲んでも太るという人もいる。
一食しか摂らず何年も過ごす人もいる。


健康長寿の高齢者に日々の食生活を
聴くようにしている。
結論から言えば、ホントにマチマチだ。
傾向として言えるのは、
「好きなモノを少量」
食っている感じだ。

食事制限という言葉に代表される
ストレスがないのだけは共通だ。

健康だから食事制限は不要なので
鶏が先か卵が先か、なのだが…

中学生の頃から診察している
大原さんは管理栄養士として
病院で働いている。
今でもたまに当院に受診する。

上記のような私見を述べ、意見を
求めるが、あまり明快な答えは
もらえない。

「栄養学は人類のものやけど
食いもんは個別やで」

というような医療従事者失格な
意見を言い、苦笑いされる。

大原さんは非常に痩せている。
人並み以上に食べ、甘い物に目がない。
いわゆる「痩せの大食い」。
彼女自体が栄養学の矛盾なのだが、
もちろん説明不能だ…

痩せる方法あれこれ

「歩いた方がいんですかね?」

48歳糖尿病の山谷さんは2児の母。
血糖値は如実に改善している。

しかし、痩せない。

自分から冒頭の言葉を発した。
「それがでけへんのでしょ?」

恥ずかしそうにうつ向く山谷さん。

多忙な母親にプラスアルファの

タスクを与えるのは酷だ。

みんな答えは知っている。
検索できる時代だなのだから。

問題は習慣化できるかどうかだ。

環境が同じだと変革は難しい。
インドやアフリカに引っ越せばいい。

それは多くの人に現実的ではない。

自分の行動を細分化する。
導入したい新しい習慣を古い習慣に

タグ付けする。

トイレに行く度にスクワット。
壁に回数込で貼っておく。

人間は忘れる存在だからだ。

やりたいことは勝手にする。

やりたくないことはすぐ忘れる。

山谷さんには順番交換を提案した。

買い物に行く
料理をする

食べる(食べさせる)

順番を変えさせた。

食べてから料理は難しい。

食べてから明日の買い物を。

 

いらんものを買わないかもしれない。
カロリー消費で歩くかもしれない。

効くかどうか?

次回診察のお楽しみ。

やる気が出てきたみたいだから

よしとしよう。

無理をせず、少しずつ変えてれば
意外と遠い所まで行ける。

オカルト?ちゃうちゃう

行動や習慣を変えたい。
そう思っている人は多い。

本屋に行けばよくわかる。
そういうよく本が売れている。

変わろうという決意はあるのだ。
決意が持続しないのだ。

なぜか?
意志の弱さ?
では意志って何?

これまた抽象的な言葉だ。
決意とよく似た言葉を使って
説明しても意味はない。

決意を忘れるからではないか?
忘れても人生は送れるからだ。
当然だ。
決意する前も人生を送れていた。
現状を持続する意志は強いと
言えなくもない。

決意を忘れないことが大切だ。
忘れない工夫の一例を紹介する。

生活習慣病の患者さんのケース。
習慣を変えないと治らない。
(変えずに薬だけ飲む人もいるが…)

たとえば
「お腹がへこまないんですよ」
という患者さんがいる。

忘れない環境づくりが必要だ。

ジムに通う?
ランニングする?
間食しない?
食べすぎない?

全部ムリに決まっている。
良い習慣とは何か、は皆知っている。
できないから医者に来ているのだ!

うちのやり方はこうだ。
「へこむようにしてあげます」
と言って、お腹を触る。
そして念を送る(←大事)。

真剣な顔で
「へこむ念を送っておきました」
これでOK。

ホントに効くのだ。

なぜか?
医者にお腹を触られて念を送られた。
それは記憶に残るからだ。
そう簡単に忘れられない
非日常経験だからだ。

自分のお腹を触る度に思い出す。
(主治医に念を送られたお腹だ!)

主治医との約束を守りたい
患者にはとてもよく効く。

ご利益が欲しい人!
触ってあげますよ♡