必読!糖尿病の治り方

神経質な伊達さんは80歳の女性。
糖尿の数値が少しでも上がると
ため息の嵐となる。

主治医が
「これくらい全然大丈夫。優秀よ」
そう言っても渋い顔をしている。

糖尿の数値とにらめっこすること
だけが人生ではない。

シャンソンが好きな伊達さんだ。

「最近歌ってます?」
「歌ってないのよ。外出てないの」
「ダメダメ。歌わなきゃ!
人間も鳥なんだから!」
「人間って鳥なの?たしかに
ピーチクパーチク言ってるけど…」
「ピーチク言うのはダメですよ。
自分の言葉ではダメ。歌は
他人の詞(ことば)だからイイの!」

自分とはこれまでに
採用してきた言葉なのだ。
自分の言葉でピーチク言ってたら

病も治らないし、マジメも治らない。

たまには他人の言葉を話すべきだ。
シャンソンはむいているのか?
明るい前向きな歌詞の方がベターだ。

「運動は?してる?」
「プールも最近サボってるのよ」
「アカンアカン。人間も魚なんだから!」
「人間って魚なの?」
「そらそうよ。お腹の中にいるときは
水かきもあったんだから!」

われながら何でも言うよなあ…
伊達さんは笑顔で帰ってくれた。
ストレスは糖尿の大敵だ。
よし、としよう。

あなたの役目は何ですか?

早い話
社会にとっての自分の役目とは?
ということだ。

牛島さんは90歳男性。
同い年の妻の介護をしている。

たまに外来受診するが、
いつも背筋がピンと伸びている。

今日もニコニコしながら
「あのおじいさんよりはまだ元気かな」
牛島さんが指差した患者さんは
牛島さんより10歳年下だった。

昨年数十年努めた町会長を退いた。
地域貢献という役目を果たしてきた。
「燃え尽き症候群」を少し心配した。

「お元気ですか?」
訊いた。
「残りの人生の間に、戦争体験を
まとめたいと思ってます」
牛島さんは強い眼力でそう答えた。

世界、いや宇宙にとって大切な役目だ。
「手伝わせて下さい」
思わず言ってしまった。

常に自分の役目(機能)を理解する。
そういう人は健全だ。

口は災いの元

未曾有の台風らしい。

脅威となる極端な気象。
地球のつながりを感じる機会だ。

赤道に近い低緯度の高い海水温。
上昇気流が生じやすいことによる、
積乱雲の連続的発達、熱帯低気圧。

エネルギー保存の一形態だ。

今まさに被災された方にとっては
それどころじゃない。
損失が最小限になるよう
お祈り申し上げます。

数年におよぶ嘔吐と腹痛が改善した
和多田さん(76歳、男性)は言った。

「治すのは自分だよ。
先生にそう言われましたよね?」

言っていない…

「治すのは自分」「自分で治す」
あまり好きではない言葉だ。

「治るのは自分だ」なら
百歩譲ってOKとしよう。

「ぼくの身体じゃないからね」
患者さんに対してよく言う言葉だ。

病を治すのは他者だ。
自分を除くすべての存在だ。
食べ物も含め、関係者全員のお陰だ。

ヒポクラテスから綿々と続く知恵の集積。
それに携わった医師、患者、研究者。

そして家族や友人たち。
時代や地域性の運もある。

「自分で治す」の「自分」って誰?

もちろん医者を選ぶ、情報の取捨選択は
自分でやることかもしれない。
しかし、潜在的な存在は無限にある。
現に今、和多田さんは受診している。

最後に言った。
「和多田さんも他の人を治す材料なのよ。
壮大な人体実験の末、生き残った医療を
享受しているわけでしょ?」

患者さんの治癒で医師も成長する。
治癒は他者にも影響するから素晴らしいのだ。
自分は治る存在であり、かつ治す存在なのだ。

人体も自然の一部。
様々な因果が重なって存在している。
エネルギーのやり取りに過ぎないのだ。

突然壮大な説教をされた。
和多田さんも災難だった。