愛こそはすべて


研修医の頃、某犯社組織に所属する
C型肝炎の患者さんに質問された。
「彼女に伝染りますか?」
指導医の答えが振るっていた。

「愛が強いほど伝染ります。でも
愛があれば乗り越えられます」

「新コロ」が蔓延している。
(久住先生のマネをして「新コロ」と
呼んでいる。ちなみに「狂牛病」は
「京牛病」と呼んでいた)
各地で感染者が続出している。

勝手に治っている人もかなりいる。
治癒症例がドンドン耳に入ってくる
ようになったことは安心材料だ。

完璧に逃げ切ることはできないが、
予防策や対応策はある。
「3密」行動をしないのもその一つだ。

このウイルスを怖くしている最大の
要因は「無症状の人から伝染る」だ。

前から「変だ」と思っていた。
どうやって伝染るのだろうか?
無症状の人はウイルス保菌量が少ない。
だから咳も熱もないのだ。
一体どうやって?

「接触感染」だ。
キスする勢いのハグだ。
これは避けた方がいい。


欧米との文化の違いが大きい。
ほどほどの距離確保と換気で
まず大丈夫だ。


それにしても限界がある。
子育て中の親や医療従事者だ。
幸い、子供は強そうだ。
病院や老人施設での院内感染が
最大の問題だ。

抗体保有者と、スキルのある人が
対応する形になっていくだろう。
軽症者のホテル収容は評価できる。
そこで感染から回復した人や、
抗体保有者が対応する。

時間は多少かかるがその方向に
いくしかないだろう。

広めない努力はした方がいいに
決まっているが限界はある。
あまりにも敏感になり過ぎて、
排他的になっている精神状態は
むしろ危ない。


このご時世、重症の人はほぼ
外出しないはずだ。
「3密」は避けるようにしよう。
換気のいいところで美味いものを
食べればよい。


それでももし罹ったら?

しっかり養生して治し、無事に
抗体保有者になることができた。
おめでとう!
その暁には、ぜひいろんな形で、
愛を思う存分発揮してほしい。

毎日キスしてる?


「マフィンあるけど食べる?」
妻が娘に聴こえないように、
内緒で訊いてきた。
すると、少し離れで遊んでいた
1歳の息子がこちらに目を向けた。

その態度に苦笑する妻。
「全部意味わかってるねん」

恥ずかしながら、自分は「マフィン」が
どういうものか知らなかった。
それを1歳の息子が知ってる?
ありえない。

声を落としたことに反応したのでは?

正確には、突然音量が下がったことによる
空気密度の変化への反応。
変化した「空気」を読んだのだ。

成長とともに「単語」を憶える。
つまり名前が与えられる。
名前は注意を引く。
視点の先も名前のついたものに向く。

空間に目を向けることは滅多にない。
視点が固定されることによって、
周辺情報を見落としてしまう。

知識を得ることの副作用だろう。

ジミ・ヘンドリックスの『紫のけむり』の
歌詞に “kiss the sky” というものがある。
煙を吐く行為をそう表現している。
ジミヘンは「空間」を触っていたのだ。

見えない空間は妄想も生む。
ウイルスだらけでは?
このまま景気が悪くなったら?

も妄想だ。

趣味でも学問でもない妄想は
人生時間のムダ遣いだ。

脳にも身体にも良くないので止めるべき。

子どもは知識がない分、本能的に
空気の変化を察知するしかない。
大人は知識が邪魔する。
子どもこそが「空気」を読めるのかも。
迷ったら「子ども」になって考えよう。