虎視眈々

「大学病院信仰」というものが存在する。一種の「ブランド志向」である。
診療所は東京大学、日本医大、東京医科歯科大学、順天堂大学それぞれの附属病院から近い。
患者さんから病院名指定で紹介状をお願いされることは多い。

実は、大学病院は研究機関でもあるので、一般的な疾患を診てもらうのに、あまり向いていない。
逆に、特殊な疾患の中には大学病院で診てもらうしかないケースもある。
勘違いして、「手厚いサービス」と「高度な医療」を期待した患者さんが落胆して帰ってくることがある。
とびきりの「スタンダード」な治療をしてもらえる場所が大学病院だと認識すべきだ。

ところで、トラの目で見ることを「眈」というそうだ。
「何かを狙ってじっと機会をうかがっているさま」という意味である。
「ネコ科最強」と言われることも多いトラだ。トラの強さは「牙」にあると思われているかもしれないが、実は「脚力」と「爪」にある。
ちなみにシベリアトラの爪の長さは「柳刃包丁」にたとえられる。
トラとライオンもし闘わば?
まず居住地が違うので機会がない。しかし、「ライガー」という「かけあわせ」が生まれるのだから、人為的には可能なはずだ。
以前、動物園という人為的にアレンジした場所で、トラがライオンの居住区画に落ちるという事件が起こったそうだ。

どうなったか?

全く勝負にならなかった。トラの戦意喪失でライオンの不戦勝。
「単独行動」をする動物と「群れ」を作る動物では勝負にならないそうだ。トラにはライオンのバック(威光)が見えてしまったのである。
人間も同様である。特定の誰ではなく、所属組織にビビらされることは子供でも大人でも同じだ。
「あいつ『極真空手』習ってるらしい。気をつけた方がええで」も「あの先生『東大』出てるらしいよ。行ってみようか」も大差ない。
「ブランド信仰」は本能的なものかもしれない。

よろず相談所 ONE LOVE
日本メディカルコーチング研究所
所長: 原田文植