殺されないで

里帰り出産していた妻と子供二人を連れ、東京に向かう新幹線に乗り込んだ。
どんな乗客がどの辺りに座っていて、いざとなったら…

凄惨な事件からまだ数日しか経っていない。
けれども空席がほとんどない列車に緊張感は全く感じなかった。
日本の治安は世界一優秀であると言っても過言ではない。
2016年のデータである。
殺人事件の被害者となった人は、日本国内では1日あたり0.79人。
1980年以来ずっと1人を下回っている。
ちなみに人口10万人あたり殺人事件の被害者数は日本では0.3人。
(ちなみに1位のエルサルバドルは108.6人!)
ヨーロッパでは比較的治安がよいとされてドイツと比較しても、殺人は1/3、強盗1/24、麻薬犯罪は1/13に過ぎない。
これらは数字上のファクトである。
無知なメディアの感情的な煽りと、それに乗せられている視聴者。
熱しやすく冷めやすい乗客ののんびり感。
違和感を感じるのは自分だけか?

武道の師匠、日野晃先生と急ぎの朝、ポリボックス前で信号無視し、横断歩道を渡った。
「ポリボックス前ですよ、先生」と声をかけると
「大丈夫や、下向いとった」
さすが!

通勤ラッシュ時、サラリーマンと逆方向に歩くことがある。
彼らの他人への無関心と、自己中心的行動に嫌気がさして通勤しない道を選んだ。
「凶悪犯が前から来たら全員殺されてるのでは?」と思ってしまうほど、見事に無関心かつ殺伐としている。

凄惨な事件が発生する度に、公的セキュリティを上げる提案が出される。
反対はしないが、一日に平均一人殺されない日本では、「安全ボケ」の数を増やすだけではないだろうか?
「病」の問題であれ、「安全問題」であれ、「自己中心」は頭を悪くする。
ここでの「頭の悪さ」とは命に関わる能力の欠如を言っている。
正義感から絶命してしまった男性のご冥福をお祈りします。
自分が現場にいて、誰も死なずに済むために何ができたか?
現実逃避せず、準備する。それが、勇気ある男性への弔いだと思う。

原田文植


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