ユカタン半島(その3)

2日目、嵐が止むことはなかった。
外出もできない。
ビーチにもプールサイドにも行けない。
部屋で読書三昧。
読書は脳内作業だと思っていた。
活字が映像化される。
環境が変わると映像も変わる!
新たな発見だった。

早くも「お米」が恋しくなった!
「醤油」が恋しくなった!
トウモロコシベースの炭水化物。
たったの3回で飽きてしまった。

ホテルのウリの一つが和食レストランだ。
最終日にでも、と考えていた。
「缶詰」の不満ストレスもあるのだろう。
自分の「情動過食」が作動した。
大人気レストランの名は『SAMURAI』。
予約必須らしい・・・
少しイヤな予感がしたが、
「アカン、偏見は!」
と気を取り直して予約することに。

レストランの見つけるのに難渋した。
日本では見たことのないたたずまい。
「赤」の使い方に中華を感じる。
『銀座アスター』が少し近いか。

店員に訊かれた。
「スシシート or ヒバチシート?」
寿司?火鉢?
怖い(?)ので「スシシート」と答た。

待合には陽気なスペイン人グループが。
”クレージー健”風の男に訊かれた。
「どっから来た?」
声は”西川のりお”だった。
「ハポン(日本)」
とマジメに答えた。
「客?シェフかと思った」
で、グループはギャハギャハと大笑い。

日本の笑いはレベルが高いと思った。

「先週クビなったんや。で客として来た」
と言ったやった。
あまりウケなかった。

カウンターの席に一人で座ることに。
そして痛感することになる。
人間の記憶がいかにイイカゲンか!
シェフには日本人の師匠がいるそうだ。
その師匠に寿司を習った。
もちろん日本でも寿司を食べた。

出てきた寿司は・・・
ここまで別物を作れるんだ!
逆に創造力に感心した。
ほど「全くの別物」だった。
加えてサーモンのオンパレードだ。
サーモンは苦手だ・・・

悪く書いても仕方がない。
原因を考えることにした。
何でこうなったのか?

この地を訪れる日本人が少ない。
指摘されないから?
いや、指摘で改善されるレベルではない。

外国人客は軒並み満足しているようだ。
日本食はこの程度という認識なのだ。
もちろん人によるが。

徒弟制度が必要なわけだ。
マンツーマンでしか教えられないのだ。
職人の世界は。
当然といえば当然のことだ。
シェフに師匠がいるというがあやしい。
少なくとも寿司職人の修行とは違うはず。

外国の和食レストランはみな似ている。
日本に実在しない感じも似ている。
何らかの「鋳型」があるのだろう。

日本の寿司文化の奥深さを感じた。
ここまで別物を見せられることで。
文化を再現するのは実に大変だ。
全員が知っている必要があるのだ。
シェフのみならず。
関わる全員が。
大工。食材を運ぶ人。給仕係。
もしかしたら掃除係も。
実は全員職人なのだ。
日本人なら子供の頃から習っている。
親・兄弟、教師から。
そういう意味で。

日本でも同じことが起きている。
実際「ラーメン」は日本発祥だとのこと。
「カレー」も日本風は独自だ。
アレンジが一概に悪いわけではない。
オリジナリティが産まれることもある。

しかし文化を伝承するとなると?
異国では不可能に近い。
シェフが日本人でも難しいのではないか?
多分周りのスタッフに伝わらないと思う。

疑うことなく自信満々な料理長を見て
しみじみそう感じた。

火鉢シートが盛り上がっている。
火鉢とは鉄板焼きのことだったようだ。
「火炎パフォーマンス」をやっている。
その度に歓声が上がる。
(和食に強火そんなにないで)と横目に
寿司シートはとっくに終了している。
火炎パフォーマンスはまだまだ続く。
腹減ってないのか!?

ようやく焼き飯(?)から始まった。
目が合った「クレージー健」に
「こっちでやってくれよ」
と促される。のりおの声で。
飲み助どもの拍手が起こる。

鉄板焼パフォーマンスをしろと?

乗りかかった船じゃないかと。
やってやろうじゃないかと。
パラパラの焼き飯にしてやった。
米も小さいから本当にパラパラだ。
彼らはそれをお箸で食べさせられていた。
(日本人でも「レンゲ」使うで!)
と内心思いながら、滑稽な様子を眺めた。

なぜ異国に来て、スペイン人のために
焼き飯もどきの調理をしているのか?
そして
「日本人はみなこれが好きなのか?」
という質問に対して
「日本人はこれが三度の飯より好き」
というジョークまで発しているのか?
ウケもしないのに・・・
自分のサービス精神が誇らしく哀しい。

結局ネットや動画ではないのだ。
情報流通は偏見にまみれているのだ。
実際に行く。現場を見る。
でないと何もわからない。
一次情報の重要性を痛感した。

チベットやスリランカの仏教徒も
同じように感じるのではないだろうか。
日本の「仏壇」を初めて見たら・・・

最後に
「エスプレッソ?」と訊いてきた。
何で和食のシメでエスプレッソ?
エスプレッソも焦げた味しかしなかった。
フランス文化もこうなってしまうのだ。

つづく

 

よろず相談所 One Love
日本メディカルコーチング研究所
所長: 原田文植

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