ケンカ両成敗

『The Rhetoric』という本が予想外におもしろかった。正直「ツッコミどころ」満載だが、ハーバードで非常に売れている、とのふれこみもまんざらブラフでもなさそうだ。分厚いが読みやすい。

特に注目したのは、「議論」に関する分析だ。
議論をする際、「時制に注目しろ」という点だ。
議論の際、「過去形」を用いるときには、非難や批判をすることが多いらしい。
たしかに「前回もそうだった」とか。えてして失敗例として使われることが多い。議論の場に限れば、その傾向はありそうだ。
「現在形」を使用する時には「信念」に基づいた主張が語られるとのこと。腑に落ちた!
「それは常識じゃないか」とか「人間だもの」なんてまさにそう。
結局「未来形」だけが、発展的な議論につながるらしい。「で、どないすんねん?(So what?)」ようやく「案」や「策」が出てくる感じがする。
つまり、議論したけりゃ、「未来形」で話せ!
ということだ。

なるほど、今回のワールドカップ。
日本対ポーランドの試合。日本は敗戦したが、決勝リーグに進めるという結果を得た。これは本来喜ばしいはずのファクト。しかし、日本のとった戦術について賛否が割れている(なんとなく議論されている)。
その1
勝てば官軍。スポーツとしてというより、勝つことに意義がある。「勝利」を大切に考えている。
その2
スポーツとは最後まで、全力で、「フェアプレー精神」で一生懸命やることこそ重要だ、と考えている。
この二つは、まさに「信念」の相違だ。
ここで、「フェアプレイとは何か?」をいくら語っても、それは「信念」を語っているにすぎない。
前述の書物に照らし合わせれば、議論になりにくいし、進展は望みがたい。「信念」をいじるのは、消耗戦になりがちだ。キリスト教徒をイスラム教徒に改宗させるようなものだ(オリジンはどちらも新約聖書なので、決してできなくはないのだろうけれども…)。
いずれにせよ、ケンカが生じる可能性が高い。ケンカ好き同士がやる分には「どうぞご勝手に」、であるが、こちとら医者である。
ケンカはアドレナリンが出て、血圧と血糖値が上がる!お願い、ケンカせんといて。だ。
どうせ、これからも四年毎に続くワールドカップだ。
ワールドカップの未来?サッカーの未来?国際試合の未来?戦いの未来?人間の未来?宇宙の未来?
そんなことについて話すきっかけになればいいのにね。

 

日本メディカルコーチング研究所
よろず相談所 ONE LOVE
所長: 原田文植