まだマイナス思考とか言ってるの?

乳がんを克服した倉橋(69歳)さんは
4匹の老猫を飼っている。
これまでに何匹もの猫を看取っている。
その度に外来で涙する。
悲しみは新たに猫を飼うことで癒す。

同居する三男のことで長男と揉めた。
「ずっと一緒にそばにいてほしい母親」
VS
「三男の自立を促したい長男」

自宅の名義変更がどうのこうの…
他人(嫁)が入るとややこしいみたいだ。
長男の冷たさに落胆し、またまた涙する。

無口で酒飲みの夫は腕の良い職人だ。
夫への従順ぶりもすさまじい。
「人生すべてを捧げた」そうだ。

倉橋さんは言う。
「マイナス思考なんです。いつも息子に
治せ、って言われるんです」
「損な性格なんです。一生変わらない」
涙を浮かべて話す姿は演歌だ。
さすが秋田県、雪国出身だ!

「それが好きなんでしょ?
全部好きでやってるんでしょ?」

倉橋さんは驚いたようだ。
驚きの中に「安堵」も垣間見た。

「性格なんてないんですよ。
嫌なら止めればいい。
倉橋さんは旦那につくすのが好き。
息子をそばに置くのが好き。
ネコを看取るまで世話をするのが好き。
それだけのこと」

マイナス思考?性格?
それが「ある」かのように思っている。
だから縛られるのだ。
イヤなら止めればいい。変わればいい。
自分は好きで選んでやっているだけだ。
「悲観的に考えるのが好き」でいい。
メディアはあたかも「マイナス思考」
などという現象があるかの如く流布する。
タイトルをつけると商売になりやすい。

「思考」ではない。
ただの「嗜好」なのだ。
それが「指向」に変化しているのだ。

われながら上手すぎる…(自画自賛です)

「たしかに私好きだわ。じゃあ大丈夫だ」
倉橋さんは安心し、笑顔で退室した。

どんな外来や?

以上、聴診器を当てながらの会話でした。

 

よろず相談所 One Love
日本メディカルコーチング研究所
所長: 原田文植

 

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