医療はサービス業?

「先生はやさしいですね。やっぱり医療はサービス業ですね」

「医療はサービス業」といわれて久しい。
以前は “Medical treatment” や “Health care” と訳されていたが、最近 ”Medical service” と訳されることが多くなった。
サービスというのは「顧客」に対して使う言葉と認識している。

ところで、患者さんは「顧客」なのか?
「保険医療」を提供する立場として、患者さんを「お客さん」とは思っていない。
だから、冒頭の患者さんの言葉には「違和感」を感じる。
だから、「サービス」として褒められても、「?」だ。
普通にやっているだけ。患者さんに対してであれ、スタッフに対してであれ、敬意を表すのは当然だ。
人に対して抱く「敬意」や「親愛なる気持ち」を超える感情をつけ加えているつもりは全くない。
必要以上に「やさしく」しているつもりもない。
医療は「技術」で評価されるべきであり、「サービス」で評価されるべきではない、というのが私見だ。
この場合の「技術」には、もちろん、「医師と患者の理想的な関係の構築」も含まれている。
たまに「顔も見ずに、ずっとパソコンを見ていた」などと他の医者への批判を患者さんから聞くことがある。
それでは治らないでしょ、診てないのだから。技術やサービス以前の問題だと思う。

「保険医療」である限り、「公平性」が保たれないといけないと常々思っている。
だから「サービス」を「ウリ」にするつもりは毛頭ない。
こちらが「普通」にやっている医療に「サービス不足」と思うなら「よそへどうぞ」である。
「どこそこの診療所はサービスがなっていない」
と言いつつ、うちの提供する医療を褒められても、正直嬉しくも何ともない。
医療機関は、必要がなければ行かなくていいところだ。
「スタッフの感じが良い」くらいで丁度良いと思う。

日本メディカルコーチング研究所
所長: 原田文植




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