亀の甲より年の劫

昨日、外来で黒木さん(仮名、90歳、女性)の放った言葉に驚いた。
「最近の若い夫婦は男が子供を可愛がったりする。
でも先生はそれじゃあダメだよ」

普段、子育ては妻に任せっきりだ。
休日くらい、負担を軽くしてあげたい。
下町のご高齢の方は「男が子供を抱っこする」のを好ましく思わない。
「儒教精神」というか「男尊女卑」が根強く残っているのだろう。
少なくとも、妻はそう思っていた。

しかし、黒川さんの話を詳しく聴くと、少し違った。
「世間の男はともかく、先生はねえ」
と言われた。

早い話が、「命預けているから、集中して仕事してくれ」
ということだ。
う~ん、好きなことに忠実な自分としては辛いところだ。

音楽活動、旅行、著述… 色々と手を出している。
それらとの関係が「自分」を造っている、と思っている。
しかし、「一心不乱に仕事に専念する」ことが美徳だと思う
お年寄りは少なくない。

医師としては、「患者さんの目」を気にした方が良いのかもしれない。
「治癒率の向上」にもつながるかもしれない。
やはり、ポリシーに反しても人生の先輩の話は素直に聴くべきか?
「儒教精神」が「自分」を悩ませる。

日本メディカルコーチング研究所
よろず相談所 One Love
所長: 原田文植