隣のオッチャンと話せる?

アルコール依存症で自殺未遂。
厄介な患者さんかも…

増岡さん(86歳)を往診して半年経つ。
経過はすこぶる良好だ。
酒量も減っている。

とりたてて変わったことはしていない。
通り一遍の診察はもちろん行う。
処方は他院の投薬を継続しているだけ。
ほぼほぼ雑談しているだけだ。

気が合ったようだ。
増岡さんはインテリだ。
自称「バカ田大学」出身・・・

なるほど蔵書も充実している。
しかも「ジャズ好き」ときている。
何より元々「おしゃべり好き」なのだ。
引退後、文字通り「引きこもって」いた。
退屈ゆえ酒量も増えに増えた。
「きっかけ」が必要だったのだ。
最近はデイサービスにも参加し始めた。
そこでもよくしゃべるらしい。

「人は何でしゃべりたいんですかね?」
と増岡さんの妻に訊かれた。
「治るからですよ」
反射のように答えてしまった。
発した言葉に自ら驚いた。
(そうか!しゃべったら治るんや!)
誰が言わせたのだろうか?
ときどきこういうことがある。

女性は概して男性よりおしゃべりだ。
だから寿命が長いのでは?
妻の仮説である。

概して日本のオッチャンは雑談しない。
苦手意識を持っている人も多い。
「男は黙って~」
サムライのカルチャーか?
多分サムライはおしゃべりだったと思う。

スペイン語は呼称がバラエティ豊富だ。
アミーゴ、セニョール、セニョリータ…
大体誰にでも声をかけられる。
日本語は男性呼称に乏しい。
「お父さん」「お爺ちゃん」だと、たまに
「子供はいないよ」
ムッとされることもある。

その点、大阪弁は割と融通が効く。
「オッチャン、これナンボ」
「兄ちゃん、どこ見てんねん」
「ネエちゃん、茶アしばこか」
てな具合。
関東圏では少し使いにくい。

日本のオッチャンは固いなあと思う。
国際線に乗って帰国すると痛感する。
他国の人と比して。

ためらわずに話しかける能力。
きちんと雑談をする能力。
いつでも、他者とつながることができる。
その心強い感覚は何物にも代えがたい。

精神科医の診察に対し、
4割の患者が「説明不足」と感じている

日本精神神経学会で発表された。
精神科医に限らない。
医療従事者全員が自戒すべきだ。
受診してくる患者さんを選べない。
患者さんは前提知識も理解力もさまざま。

増岡さんはたまたまインテリだった。
だからうまくいったのかもしれない。
「説明不足」と感じている患者さんが
良くなる可能性は極めて低い。

とにかく医療従事者に雑談力は必要だ。
さあ、隣のおっちゃんに声をかけよう!

 

よろず相談所 One Love
日本メディカルコーチング研究所
所長: 原田文植

 

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