継母のブルース

岩本さんが男子高校生を連れてきた。
学校検診の尿検査で引っかかったと。

岩本さんは「田中さん」になっていた。
子連れの男性と再婚し、現在新婚さん。
とにかく手を焼いているそうだ。
新しい息子とケンカが絶えないらしい。
継母は息子のウソに腹が立つそうだ。

「どんなウソ?」
訊いてみた。
昼まで友人たちとマクドナルドにいた。
授業をサボったことを教師に咎められた。
担任は「自分から親に言いなさい」
と告白するよう促したそうだ。

「先生からは直接親に告げ口しないから」
とのこと。
ん??
で、息子はそのことを黙っていた。
「何でバレたん?」
継母が応えた。
「三者面談のときにバレるでしょ!」

…じゃあ結局担任がバラしたんやん

そんなに大したことかな?
良い生徒(息子)を演じる方が嘘つきや。

息子さんは自分の本能にウソつくことなく
マクドナルドに行った。
わざわざ親に告白する必要があるか?
完全なる確信犯だろうし。
「叱られたくない」という気持ちにウソは
ついてないじゃない。

と自論を展開したら大笑いされた。

で、息子登場。尿蛋白で引っ掛かった。
まあ思春期によくある感じのヤツだ。
再検で問題なくクリア。

しばし二人だけで話をした。
秋からパソコン部に入るつもりとのこと。
理由を訊ねたら、将来役に立つから
だと…
「そんなんいらんで。バンド組んだら?
モテるで」
目を輝かしていた。
「役立つことより好きなことしたらエエ」
「親の言うこと聞くなよ。ウソつくから」
と助言をしておいた。

そして最後に
「東大入り。医者になってもええで」
と言ったらびっくりしていた。
確実に彼のリミッターは外れたと思う。

二度とうちに連れて来ないかもしれない。
輝きだした一瞬の瞳を見逃さなかった。
だから大丈夫。

 

よろず相談所 One Love
日本メディカルコーチング研究所
所長: 原田文植