食欲という名の発情

「食べてるときが一番幸せ」
あいかわらずよく聞く言葉である。
そのくせ、大抵早食いで、食べた内容もほとんど憶えていない。
矛盾しているのでは?
つまり、「食べているとき」ではなく「食べ終わったとき」が幸せなのだ。
食べ終わった後、つまり「満腹感」が欲しいのだ。
血糖値が上がり、副交感神経主導になり、眠気を催す「あの感じ」が愛おしいのだ。
ちなみに「食べる」という行為と「排泄する」という行為は非常に近い。
発生学的には口と肛門は先か後かの違いだけだし、同一部位で両方の機能を果たす生物もいるのだ。
世界に目を向けると「人前で食べる」ことは「不浄」とされる文化も存在する。気心の知れた仲間や家族の間でしか食さない文化もある。
それゆえ、異性をごはんに誘うことは「下心あり」と勘繰られるのかもしれない。「不浄」を共有する関係になりましょう、みたいな…
「食べてるときが一番幸せ」は「ウンコしているときが一番幸せ」と告白しているのと紙一重なのだ、と言っては言い過ぎか。
というより「一番幸せ」が言い過ぎなのだ。「口ぐせ」の奴隷になってしまう。
個人的には、食べると「流れ」が中断された感じがするから、仕事中は極力食べたくない。ノッテきたら、なおのこと。
食後は思考力が低下するし、何よりムダに眠くなってしまう。
それにしてもなぜ、食後の「あの感じ」を求めてやまない人が多いのだろうか?
「食べる」ことを除く日常が「退屈」だからではないだろうか。
ダイエット成功の鍵はやはり「日常に退屈しないこと」しかないような気がする。

原田文植





■原田文植 著作
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