笹田さんは(59歳)本当にヤバかった。
アルコール依存症で生活習慣病の宝庫。
まあ、医師の言うことをきかない。
いつもイライラしている。
定期通院は滞り、当然、服薬も滞る。
それが、ここ一年でみるみる改善した。
そして何と断酒が半年続いている。
笹田さんを知る人は奇跡と驚いている。
とにかく雰囲気が変わった。
「若い彼女でもできた?」
訊いてみた。
「税理士を解雇したことだと思う」
いまいち意味がよくわからなかった。
とにかくずっと体調も悪かった。
不満な感情が笹田さんを酒に走らせた。
そしてさらに体調も悪くなる。
悪循環の日々だった。
あるとき税理士の不正に気づいた。
長年雇っていた税理士だ。
あやしいと思ったことは一度もなかった。
かなり前から着服していたようだ。
即刻解雇した。
憑き物が取れたように体調が改善した。
気持ちが晴れ上がった。
以前から同い年の友人に誘われていた。
ようやく誘いに乗る気になってきた。
それは「AKB48追っかけ」のお誘いだ。
友人と全国を廻ってっているらしい。
「……よかったじゃないですか」
人間関係が病の原因になる。
決して少なくない。
笹田さんは、縁切りで劇的に改善した。
税理士に対し、不信感は抱いてなかった。
少なくとも意識には上がっていなかった。
しかし、体調には現れていたのだ。
縁切りすることで晴れあがった。
自分の足元の道に光が射したわけだ。
そして酒もいらなくなった。
人間関係、住居などの環境や職業。
変えるのに勇気が必要なものばかりだ。
逆に、自分が変わる。
すると勝手に離れていくこともある。
余談だが、受刑者は出所後再犯率が高い。
『カリートの道』という映画がある。
新しい人生を送ろうとする主人公。
そう思っても、しがらみが次々現れる。
昔のヤクザ仲間が常に近づいてくる。
結局、悲劇の結末を迎えるお話だ。
何となく今の人生に不満がある。
原因がよくわからず体調がすぐれない。
まじめにやっているのに経済が回らない。
そんなとき、当たり前の習慣を変える。
当たり前の人間関係を考え直す。
住む環境を変えてみる。
根性出すことで改善するかもしれない。
笹田さんは人間関係と趣味を変えた。
すると他の行動性向まで変わった。
笹田さんは幸せそうだ。
一念発起したことで人生変革した。
そんな例は枚挙にいとまがない。
上京した自分も間違いなくその一人だ。
よろず相談所 One Love
日本メディカルコーチング研究所
所長: 原田文植