恋せよ乙女

早い話が
何歳になっても女子は女子
ということだ。

往診している山根さんは94歳の女性。

デイサービスを利用している。

「デイはどないですか?楽しい?」

山根さんは不満な顔を浮かべた。

「お風呂の担当が男なのよ!」
恥ずかしいらしい…
女性の入浴介助を男性が担当?

確かにデリカシーに欠けている。

やむを得ない面もある。
入浴介助は力仕事だからだ。

どこもスタッフの人数は不足がちだ。

「一応伝えた方がいいよ。できれば

女の人にお願いしたいって」

キチンと直訴するべきだ。
考慮されるかもしれない。

納得できるかもしれない。
事情を知ることによって。

「ぼくもイヤ。男に入浴介助されるの」

山根さんは大笑いしていた。

年を取っても女子は女子。
ナメてはいけない。
そして、人生の先輩なのだ。
敬意を欠いた態度は絶対にアカン。 

利用者が本音を言うとは限らない。
みな、自分の立場が弱いと思っている。
イジワルされたくない。
医療従事者は心得ておくべきだ。