やせ旅

早い話が
本気で変わりたいなら、環境を変えろ
ということだ。

「先生の話を聴くと毎回燃えるの。
でも、長続きしないのよねえ…」

白田さん(69歳)の嘆き節だ。

白田さんは比較的太っている。
肥満はラッキーだ。
なぜなら「余地」があるからだ。
痩せるだけで血圧も血糖値も脂質も改善する。

大抵の身体の不調も改善する。

あの手この手、痩せる方法を教える。
「それならできそう!」
目を輝かせて帰宅する!

翌月の外来で件の嘆き節を聴かされる。

理由は簡単だ。
家に帰るから。
環境は人のすべてを巻き戻す。
なぜなら、本能は現状維持を望むからだ。
現状維持こそが生存確率を上げてくれる。
自宅という環境は現状そのものだ。
よってモチベーション全開バリバリだ!
現状維持にモチベーションが働くのだ。

かくして嘆き節を繰り返すことになる…

「来月受診後、アフリカに行きましょか。
ほな、すぐに痩せ始めるよ」
「いじわる!」

そう言いたげな顔で退出していく。

煙草を止める人が増えている。
環境が吸わせてくれないからだ。
確実に言える。
ダイエットは禁煙より難しい。