どこが発達障害?

軽度の発達障害(母親談)を持つ34歳の男性がいる。お母さんのことはよく知っている。
息子のことを相談され、診療することになった。性格は良いのだけれど、自己管理が甘い。
年齢不相応に生活習慣病の宝庫だ。まずは過体重を改善しないといけない。
趣味に着眼した。いわゆる「アキバ系」だ。ある地下アイドルの追っかけをしているらしい。
少し、セクシー路線のアイドルのようだ。ということは人並みに性欲があるということだ。
いつもと同様、
「必要なものをほどほどに食しているので嬉しくて仕方がない」
という口グセを毎日最低5回復唱するよう指導した。
加えて、空腹状態を知るために、休みの日を利用して、朝から何も食べない日を作るよう指示した。
もちろん我慢は厳禁。お母さんに溺愛されている彼は、次々に出されるものを食べている。
これでは空腹になっているヒマがない。
「空腹も楽しいもんやで」と助言し、実行してもらった。
どうしても腹が減って仕方がなくなったら食べてもよいとした。
ゲームでも追っかけでも何でもいいから食べること以外で没頭できる楽しいことをして過ごすように、と。
効果テキメンで、ひと月で4kg痩せて外来に現れた。
「毎日がすごく楽しくなりました。」と、嬉しい感想を言ってくれた。
「よし、このままイケイケや。自分のためになることを始めてみよか。中国語とかどない?」
「中国語ですか?」と、初めは訝しがっていたが、
「日本人女性は6千万人。中国語を話せるようになったら、対象女性が6億6千万人に増えるで!モテモテやん!」
と煽った。
今、彼は懸命に中国語を勉強している。「素直さ」はとてつもなく貴重な財産だ!
身体はスリムになり、自信も夢もできた。
初めて彼にあった人は誰も発達障害だとは思いもしないはずだ。

 

原田文植

 

■原田文植 著作
「病は口ぐせで治る!」
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