黙ってやれ!

著者は妻の知人の娘さんだ。
優秀なだけでなく、人格的にも
素晴らしいらしい。

日本の受験勝者とは一線を画する。
参考になる面がいくつかあった。

著者は自身の最大の強みは
「淡々と頑張れること」
と言っている。

著書の中でも「頑張る」「努力」
という言葉がしばしば登場する。
一般に認識されている概念とは

異質のもののようだ。

「苦痛」や「嫌い」が感じられない。

某社でセミナー講師をする機会があった。
快適領域の話になった。
(下線をクリックして下さい。)

快適領域でしか人は力を発揮できない。
いわゆる「努力」「頑張る」では
不快領域に入るので能率が上がらない。
むしろ逆向きのモチベーションがかかる。
だから嫌なことはしてはいけない。

そんないつもの話をした。

「そうは言っても、嫌なことでも
しないといけないときどうするか?」

いつもの質問がきた。

答えは

「默まってやれ」
だ。

いちいち不満の感情に付き合うな。

(本当はやりたくないんだけど…)
が、心に現れた瞬間、能率が下がる

どころか健康も害する。

淡々とやれ、粛々とやれ、だ。
もはや歯を磨くのに理屈をこねない。

でしょ?

渡世の義理で避けられない問題はある。
「嫌だから」という理由でそれを
避けて通れば、社会的存在ではない。
いちいち感情を介さずやるしかない。

「達人」と呼ばれる人は概して、
「ルーチン化」している作業が多い。
呼吸の如く、ルーチンをこなす。

淡々とやる。粛々とやる。

人生時間は皆同様に有限である。
時間を濃く使わなければ勿体ない。

酒席は社会的には必要かもしれない。
わけがわからなくなるほどの深酒は
無駄遣いだということだ。

発達障害児の療育についての講演

無知は罪。
無関心も罪。
それは健常者の親も障害児の親も同じ。
親の愛だけでこどもは育たない。
みな宇宙の愛をもらって大きくなれた。
こどもは宇宙の宝物。
みなで育ててあげよう。
障害児も、シリアの戦争被害者も…

下町のカリスマ理容師

鈴木啓示というプロの投手がいた。
4歳のときに右腕を骨折した。
それを機に左投に転向した。
プロ野球で生涯317の勝ち星を挙げた。
歴代4位の大記録だ。

中田さんは左手の痛みがきつい。
50年以上床屋として働いている。
中田さんは左利きだ。
「ハサミの使い過ぎでしょ?」
「いや、ハサミは右手だよ」
なんと、右手で髪を切っていたのだ。
散髪用ハサミは右利きしかないそうだ。
左利き用は特注になるそうだ。

普段のハサミは左で使うらしい。
床屋のハサミは原理が違うのだそうだ。
親指で押し込むように切る。
ハサミと言うが、はさまないのだ。
だから最初はみな、戸惑うらしい。
はさむクセが染みついているからだ。
左利きの中田さんはクセがなかった。
だから、人一倍上達が早かったらしい。
一種の ”けがの功名” (?)だ。

日本の散髪ハサミは素晴らしい。
日本刀が源流だからだそうだ。
中田さんは自ら研ぐ。
これも左利き故の利点があるそうだ。

日常生活のほとんどの行為を左で行う。
箸、ペン、切る、投げる、殴る…
ただしトンカツを切るときは別。
左箸でトンカツを掴み、右ハサミで切る。
子供たちに大人気だったそうだ。
それ以外はすべて左手。
つまり仕事の他はほぼ左手のみ。

痛みの原因は左手の使い過ぎ。
整形外科でそう診断された。
仕事で最も使う右手は問題ないのだ!
無駄のない美しいフォームなのでは?
そんなことを想像した。
中田さんに限らず、日常動作はみな、
我流でやっていることが多い。
動きを検証する機会なんてほとんどない。
どうやってできるようになったか?
みな忘れ去っている。
遅れてきた右利きの中田さん。
素直に技術を研鑽できたのだろう。
クセがついていないことも奏功した。
結果、理に適った動きを達成し、
50年使っても故障していない。
ところで台東区は都内一床屋が多い。
激戦区での50年選手だ。

確信した。
年齢は関係ない。
新しい技術を身につけた方がいい。
それが偏見のないものであればなおいい。
クセは上達のさまたげになり得る。
リハビリにも応用できるかもしれない。

余談だが、白熱してきた中田さん。
剃刀の今昔話に発展していった。
「刃物は日本製に限る」という話だ。
待合室に患者さんが大勢いる。
次回に、とお願いした。

 

よろず相談所 One Love
日本メディカルコーチング研究所
所長: 原田文植