はるかなるニジェール

中学からの同級生大山君と飲んだ。ほぼ30年ぶりだ。
大山君は京都大学でアフリカの研究と支援を続けている。
今はニジェールで活動することが多いらしい。
貧困とインフラの欠如、医療不足で喘いでいる国だ。
アフリカ最貧国の一つだ。
その国で支援をするということは常に危険と背中合わせだ。
テロもある。健康も危うい。

「今からでも医師免許取ろうかなって思う」
大山君は言った。耳が痛かった。
「何ですべて持っている日本人が年間3万人も自殺するの?」
現地で訊かれるらしい。
大山君とその理由について議論した。

アフリカで医療をすること。それは夢だった。
「一時的に現地で支援したところでただの自己満足だ」
「行政がきちんとしてないことが問題だ」
「今、目の前の自分の患者さんを守ることが一番大切だ」
誰も反論できない理由をいつも並べていた。
自分のやりたかったことを大山君は全力でやってきて、今もやり続けている。

もう「言い訳」は止めることにする。
アフリカで仕事をする。
その夢を実現するパイプが今日できた。
とてもめでたい。

 

日本メディカルコーチング研究所
よろず相談所 One Love
所長: 原田文植

 



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心中手前みそ

「まさかおばあちゃんのお母さんになるとは思わなかったわ」
とても「粋(いき)」な表現だと感じた。

そんな粋な言葉を発していた兼田さん(仮名、84歳、女性)は最近元気がない。少しうつ気味だ。
今日も「いっつもフラフラしてる。もう死んでもいいわ、って思っちゃう」
と言っていた。

「一緒に死んだげよか」
と応えると、満面の笑顔で
「まあ嬉しいこと言ってくれるわね」
何とか気持ちを切り替えられたようだ。

この程度の「抑うつ」なら大抵何とかなる。
まずは、笑わせる。次に、患者さんが一番「楽しい」と思っていることを話すように誘導する。

兼田さんの夢中は「ひ孫」だ。雑誌のモデルもしている超美形の乳児だ。
赤ちゃんの話をふると、
「そうなのよ。孫がまた可愛いアルバムを送ってくれたのよ」

兼田さんは独居だ。それほど可愛くて仕方がないひ孫だが頻繁に会えるわけではない。
孫やひ孫が来てくれたときは、確かに楽しい。しかし、帰った後の「落差」が激しい。
「祭りのあと」の空虚な孤独感はとてもよくわかる。

「ウチの子も見てよ。兼田さんとこほど美形ではないけどね」
とスマホの待ち受けを見せた。
「産まれたの!可愛いわあ。毎日楽しくてしょうがないでしょう」
写真を見ながら、笑顔で訊いてきた。
「あっ、ごめん。この子らがいるから、まだ兼田さんと一緒に死なれへんわ。ところで、ひ孫さんの写真は?」
と言ったら
「今日持ってきてないのよ。次回持ってくるわ」
と約束してくれた。

「不思議だわ。何かすっきりした」
ニコニコ診察室をあとにした。投薬もせずにめでたく診療終了。

「何とかしてくれるはず」と確信して来てくれる患者さんは大体何とかなるものだ。

 

日本メディカルコーチング研究所
よろず相談所 ONE LOVE
所長: 原田文植

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誕生日はめでたいのか?

「若さを保つ秘訣は真面目に生きて、ゆっくりと食べて、年齢を偽ることよ」

アメリカで「コメディの女王」と謳われた ルシール・ボール の言葉である。
最近は芸能人でも、年齢を偽るのは困難なようだが…

大切な人たちが誕生日を祝ってくれる。
ハッピバースデートウーユー♪
世界で最も有名な歌のひとつに違いない。
毎年毎年この歌を聴きながら、自分の年齢を「心と身体」に刻んでいくわけだ。
「年老いた」と自己暗示をかけることになる。

2016年大阪大学の松林哲也准教授らの発表である(”Social Science & Medicine”)。
1974年~2014年まで40年分の人口動態調査から、事故や自殺で死亡した約207万人の状況を解析。
すると誕生日と死亡日が一致した死者数は8,000人!
誕生日以外に死亡した平均死者数5,700人の約1.5倍だった。
自殺がダントツだったが、事故、溺死、転落死なども、他の日よりも20~40%多かった。
事故死と認定された自殺も隠れていることを考えれば、潜在的にはもっと大きいはずだ。

「孤独に迎える誕生日」が自殺に走らせるのでは、と考察されている。
「社会的交流」の欠如は自殺の大きな原因の一つと考えられている。
最近の発表で、「社会的交流」の欠如が「認知症」の発症原因にもなると報告された。
できるだけ多くのコミュニティに属し、そしてコミュニティを大切にする必要があるようだ。
祝ってもらって自分の加齢を痛感させられ、祝ってもらわなければ自殺したくなる…
「誕生日のお祝い」というのも罪深いものだと思う。

と言いながら、娘にピアノ伴奏つきで「ハッピバースデー」を熱唱する自分がいる。
イヤでも自分の年齢を意識させられ続ける人生にエントリーさせてしまったわけだ…

 

よろず相談所 ONE LOVE
日本メディカルコーチング研究所
所長: 原田文植

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