酸っぱい記憶


20年以上前のことだ。
コンビニでお気に入りがあった。
グレープフルーツの果肉の入った
甘すぎないゼリー。


毎日のように買っていたが、
ある日棚から消えた。
そのまま入荷されなくなった。

ラジオでユーミンが同じことを
言っていたので記憶に残っている。
自分とユーミンくらいしか
食べていなかったようだ。

購買記録が完全に管理され、
売れない商品は発注されない。

今では当たり前だが、当時は驚きだった。

「好みも管理されるじゃないか!」

見事に世の中はその方向に進んでいる。
今ではスマホがその役目を担う。
日常的にスマホを使う人は
無意識に1日約250の業者にデータを
提供していることになるそうだ。


「コロナにビビる人」
と認定されたらかなり不利になるだろう。

「こんなのが欲しかったんでしょ」

そっちの後遺症の方が
はるかにデカイ気がする。

プロも素人


中島さんは魚河岸で16歳から
50年間働いていた。
裏も表も知り尽くしているので
話を聴くのがいつも楽しみだ。
血の気の多い話が多いが。

最近食欲がないという中島さん。

「何を食っても旨くないんですよ」
「寿司は?目が効くからアカンか」
「見たら食えないんですよ」


要するに、魚を見ただけで
「質」がわかりすぎる。
見ただけで、魚は食えなくなる。
鯵しか食えないそうだ。

「目が効くのもよし悪しですね」
「いい加減なもんなんすよ」
「というと?」


詳しく説明してくれた。
みな「目」は持っているそうだ。
見た目で選ぶのは百発百中らしい。
しかし、食べて「本マグロだ」と
違いがわかるプロは5人に一人らしい。


「?」

では、一体「目」は何なのだろうか?
自分では「正しい」を知っているが、
その「正しさ」を役立てられない。

なるほど!

「医者の不養生」と同じだ!

ちょっと違うかもしれない。

大麻で逮捕される警官か?

もっと離れたかな・・・

うつは感染症?


子供にお土産を買って帰る。
ちょっと隠したあと
「ジャ~ン!」
と披露したときのこぼれる笑み。
みんな昔はできていた。

喜びの表現が下手な人が多い。
周りががっかりする。

みんな喜び方が足らん!

『疲労がうつを引き起こす機序に
子供のころ感染した「ヘルペス」が
関係しているかもしれない』

慈恵医大の発表だ。

子供のころ感染したヘルペスは、
大人になっても唾液に潜んでいる。
脳に感染すると、あるタンパクを作る。
うつ病とそうでない人の間で
そのタンパクに対する「抗体価」に
有意な差があった。

たしかにそうなんだろう・・・

では、それは「運」だけなのか?
脳に感染するかどうか。
因果はえてして循環している。
うつになったからウイルスが
目覚めたかもしれない。


当院外来で経験したことだ。
今回のコロナ禍で、季節外れの
「帯状疱疹」が増えた。
帯状疱疹もヘルペスの一員だ。

「コロナうつ」が帯状疱疹を
引き起こしだのでは?


そんな仮説を自然と立てている。

いずれにせよ、治療法に光が差す
のは好ましいことだ。

抗体価は数値化することができる。
「嬉し値」や「楽し値」は
数値化できない。

自分のさじ加減次第だ。

「きちんと喜べばうつが治る」
とは科学者として言えない。

しかし、周囲の気分が上がることは
間違いない。
ヘルペス同様「気分」も感染するからだ。