「伝える」義務


「もういいんです」
図書館マニアで、図書館の写真集まで出している患者さんが言った。
彼は「小脳変性症」という難病で、徐々に呂律が悪くなり、バランス感覚も悪化してきている。今回はそれに加えて少し痩せた様子だった。気力低下から食欲も落ちているのだろうと思われる。
「アカンアカン。まだまだ用事ありますよ」
常々考えていることを伝えた。
「伝える」ことができる間は伝え続ける必要がある、と思っている。
自分の思考は果たして自分一人のものなのだろうか?
自分の思考は一体どうやって成り立っているのか?
生まれてこのかた、親兄弟をはじめ、多数の人々の影響を受けて、真似して出来上がっている。人間だけでなく書物をはじめ媒体、映像や環境から意識は作られている。自分一人の所有物と言っていいのだろうか。他者に「伝える」ことでその人間は存在する。つまり「関係」があってはじめて「存在」しているといえるのではないだろうか?
余談であるが、うつ病の発症原因の一つとして「自分一人の世界に入りすぎる」ということがあると思う。自分のことしか考えないから余計辛くなってしまうのである。人間というのは他人を助けたり、自分より弱い他者を探すことによって成り立っているのではないかということである。
たとえ身体の状態が悪化していったとしても、意識があるのであれば、伝える手段は数多く残されている。現代のスペックを使えば。すべての人は、頭の中の内容を他者に伝えて、その知恵を伝授する義務があると思っている。
実際、この患者さんのお陰で、私自身多くの「学び」を得させてもらっている。
「伝える」こと、それは決して贈与税のかかることのない資産なのだ。

 

日本メディカルコーチング研究所
所長: 原田文植

 

■原田文植 著作
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どこが発達障害?

軽度の発達障害(母親談)を持つ34歳の男性がいる。お母さんのことはよく知っている。
息子のことを相談され、診療することになった。性格は良いのだけれど、自己管理が甘い。
年齢不相応に生活習慣病の宝庫だ。まずは過体重を改善しないといけない。
趣味に着眼した。いわゆる「アキバ系」だ。ある地下アイドルの追っかけをしているらしい。
少し、セクシー路線のアイドルのようだ。ということは人並みに性欲があるということだ。
いつもと同様、
「必要なものをほどほどに食しているので嬉しくて仕方がない」
という口グセを毎日最低5回復唱するよう指導した。
加えて、空腹状態を知るために、休みの日を利用して、朝から何も食べない日を作るよう指示した。
もちろん我慢は厳禁。お母さんに溺愛されている彼は、次々に出されるものを食べている。
これでは空腹になっているヒマがない。
「空腹も楽しいもんやで」と助言し、実行してもらった。
どうしても腹が減って仕方がなくなったら食べてもよいとした。
ゲームでも追っかけでも何でもいいから食べること以外で没頭できる楽しいことをして過ごすように、と。
効果テキメンで、ひと月で4kg痩せて外来に現れた。
「毎日がすごく楽しくなりました。」と、嬉しい感想を言ってくれた。
「よし、このままイケイケや。自分のためになることを始めてみよか。中国語とかどない?」
「中国語ですか?」と、初めは訝しがっていたが、
「日本人女性は6千万人。中国語を話せるようになったら、対象女性が6億6千万人に増えるで!モテモテやん!」
と煽った。
今、彼は懸命に中国語を勉強している。「素直さ」はとてつもなく貴重な財産だ!
身体はスリムになり、自信も夢もできた。
初めて彼にあった人は誰も発達障害だとは思いもしないはずだ。

 

原田文植

 

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美人過ぎる

「女の子の下着にスプーンをしのばせて、空港の保安検査を受けるように呼び掛ける取り組みを行っている」
スウェーデンのニュースだ。

10代のうちに強制結婚で連れていかれるアフリカ系移民の少女たちを救うためにこのような取り組みが行われているそうだ。
アフリカ諸国では「家族の名誉」を理由にした強制結婚や女性器切除(FCM)が風習としていまだに残っているらしい。
強制結婚や女性器切除(FCM)を受けているスウェーデン在住者は何と4万人近くもいるそうだ。
欧州では自分の意思に反して行う結婚は国際規範に反するとして法律上禁止されている。

歴史的に子供と同様、女性の人権は常に軽視されてきた。
1800年代英国では非人間的過酷な状況で労働させられていた。つい最近まで女性が身売りすることは当たり前だった。

女性の地位が上がってきたとはいえ、政治家、教師、管理職などの要職につける女性の割合は少なく、それは日本でも全く同様である。日本では最近、セクハラ問題がメディアを賑わせている。エリート層のトンチンカンな発言の数々に唖然とするばかりだ。

ボストンに行った際に、日本で「美人過ぎる代議士」などと言われている議員がいることにショックを受けられた。
美人であることと、職務を全うする能力とは全く関係ないのだから、そのような「タイトル」をつけられることは差別であるらしい。
自ら臆面もなくそのような「タイトル」をつけて自己紹介していた元大臣もいた。

日本のコンビニに並ぶエロ雑誌やセクシーグラビアも多くの外国人には考えられない光景だそうだ。
さらに問題は、年端もいかない女の子のグラビアが混じっていることだ。一部外国人のマニアの間では日本はチャイルドポルノ天国とも評されている。
女性と子供に限らず「人権」は天に与えられるものではない。ちなみに古代のハムラビ法典では子供は独立した人間ではなく、親の財産だった。

実現しよう、という全員の「不断の努力」が必要である。
まず、「そうあるべきだ」という願い、そして、「必ず実現できる」という確信があって、向かっていくゴールである。

偶然、AMラジオから昭和のヒット曲「帰って来いよ」(唄:松村和子)が流れた。
上京した女の子の帰りを田舎で待つ男の子の想いを綴った歌である。
2番の歌詞に「気立ての優しい子だったよ。お前の嫁に欲しかったけど。おふくろ今夜も独り言」という部分がある。
当時は何ら不思議な感覚もなく、流行り歌として口ずさんでいた。
現代の感覚からすれば、「お前の嫁に欲しい」などと一人の女性を移譲できる「物権」としてとらえていることにびっくりする。
その頃よりは少しは進歩しているのかもしれない。

まずは男が自分たちの履かせてもらっている「下駄の高さ」に気づくことが重要だ。

 

日本メディカルコーチング研究所
所長: 原田文植

 

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