油モンの魅力

コレステロールが下がった小宮さん。
76歳という年齢だが、
無類の「油モン」好きだ。

どこそこのトンカツが、天ぷらが…
語り出すと止まらない。
臨場感ある語りに口の中が
唾液で満たされる。

お腹の音が鳴り、正気に戻る。
「何の話してるんですか!」
叱っても、小宮さんはニヤニヤ。

油モンばっかり食べる小宮さん。
胸焼けしながら食っている。
当然コレステロールは高くなる。
狭心症や心筋梗塞のリスクになる。

よく効く薬はあるが、足が攣る、
肝機能障害などの副作用がある。

テニスをする小宮さんは足が
攣りやすくなっている。
できれば薬を止めたいところだ。
油モン好きが「ネック」だ。

この年齢の人の好物を止めさせる
了見は持ち合わせていない。
高い店限定で油モン許可を出した。

高い店が良いとは限らないが、
下町で生き残る店は割と
値段に比例する。

回数を減らして堪能することに。
高い店は油と素材が良い。
「胸焼けしない」を基準にした。

結果、週一回の油モンに収まった。
(年齢にしては十分すぎるが…)

するとコレステロールは
みるみる改善していった。
小宮さんは他に大きな
リスクや合併症がない。
薬は卒業となった。

でも、しょっちゅう外来に来る。
新規開拓した店を教えてくれる。
で、最後にはお約束
「何の話してるんですか!」
叱られた小宮さんはニヤニヤし、
お開きとなる。

痩せる方法あれこれ

「歩いた方がいんですかね?」

48歳糖尿病の山谷さんは2児の母。
血糖値は如実に改善している。

しかし、痩せない。

自分から冒頭の言葉を発した。
「それがでけへんのでしょ?」

恥ずかしそうにうつ向く山谷さん。

多忙な母親にプラスアルファの

タスクを与えるのは酷だ。

みんな答えは知っている。
検索できる時代だなのだから。

問題は習慣化できるかどうかだ。

環境が同じだと変革は難しい。
インドやアフリカに引っ越せばいい。

それは多くの人に現実的ではない。

自分の行動を細分化する。
導入したい新しい習慣を古い習慣に

タグ付けする。

トイレに行く度にスクワット。
壁に回数込で貼っておく。

人間は忘れる存在だからだ。

やりたいことは勝手にする。

やりたくないことはすぐ忘れる。

山谷さんには順番交換を提案した。

買い物に行く
料理をする

食べる(食べさせる)

順番を変えさせた。

食べてから料理は難しい。

食べてから明日の買い物を。

 

いらんものを買わないかもしれない。
カロリー消費で歩くかもしれない。

効くかどうか?

次回診察のお楽しみ。

やる気が出てきたみたいだから

よしとしよう。

無理をせず、少しずつ変えてれば
意外と遠い所まで行ける。

アドリブセラピー

「ステージでは練習したことを
すべて忘れろ!」
チャーリー・パーカー

めずらしく平日に風邪を引いた。
合羽を着て小一時間走った。
一向に汗が出ない。
風呂に入ってもイマイチ汗が出ない。

ダルさだけが増し、そのまま早く寝た。

たっぷり寝たが、シャキっとしない。
喉も痛いし、寒気もする。
少し朦朧とするが、午前は往診だ。
今朝は15軒訪問する。

首を長くして待っているはず…

ありがたい。

患者さんがみな自分より軽症だ!

首から頭にかけてとても重い。
頭が働かない。アホになっている。
もはや「反射」で診療している。

ところが…

割といい感じだ。
診療が実にスムーズなのだ。

笑いも多い。

朦朧とするのも悪くないぞ!
自然体な気がする。
朦朧としていても目の前の
ことには集中できる。

診療中にゴチャゴチャ考えては
いけないのかもしれない。
考える仕事は既に済ませておく。

準備段階で。

診療も演奏と同じなのか!

これって悟り?

おめでたい医者だ。
診療の録画は存在しない。

それだけが救いだ。

体調管理はきちんとね、